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誰をバスに乗せるか?

これって先日ABDで輪読したビジョナリーカンパニー2に書かれていたテーマです。

次年度の売り上げ目標はこれだけ、それを達成するための手段としてどんな人員が何人必要か?という感じで最初に目標を決めて、それを実現するための手段として、人的資源の算出を行います。
しかし、この本によると、優れた成長をする会社は、目的地を決めずに、最初にバスに乗せる人を決めることから始めるということだそうです。
え、じゃあ目標はどうするんだ!!という話になるのでけど、同じバスに乗った人達が本当にハマる人たちであるなら、そこで勝手に行き先(目標)を決めてしまうし、それは決して悪い方向には向かわないということをこの本では述べています。

実は私の会社も、それに近いなと言う部分があり、割と思いつきに近い感覚で、過去に働くメンバーをいきなり採用した事があります。
(ちなみに、社員にはめっちゃ叱られました(笑)。)
この感覚って、実は以前にもこのノートでご紹介した「早く行くなら、1人で行け!遠くと行くなら、仲間と行け!」と言う諺にとても近いなと感じています。

バスに乗せる仲間とは、一緒に遠くに行ける仲間のことではないかと言うふうに私の中ではつながります。

では、そういった仲間をどのように選ぶのか?
どんな仲間をバスにあげたいと思うのかこの辺について。今回はできるだけ言語化にチャレンジしてみたいと思います。

能力的要素について

能力的な部分については必要かもしれないけども、絶対条件では無いような気がしています。ただ、こういうよくわからない会話を社内で行うことが多いため、それに対して論理的に理解しようとする思考がないと社内の会話についていけないと言う懸念が生まれるために、この手の会話に対して理解できるレベルの知的能力は必要かもしれません。
でも、まんべんなく努力できる勤勉な方よりも好きなことは夢中になってかなり深い部分まで勝手にどんどん学んでいけるタイプのほうが良い気がしています(多分、自分もそうだという自覚もあります)。

学び合い出来る会話

こういう仲間が集まって皆な夢中になれるような話題で語り合うと、その中でいろいろな気づきや学びや発見、アイディアが生まれることが多いです。夢中になって盛り上がっていろいろ話をしているその瞬間の学びの質、量ともにめっちゃくちゃ高くて、ワクワクする状況になっていることが多いです。(本来の学びってこういうもんなんじゃないかと感じることが多い今日この頃です)。

価値観の違う人、考え方が異なる人がいた方が良い

矛盾するかもしれませんが、価値観が違う人がいた方がより、気づきが多く、そんな考え方もあったのかと言うワクワクを得ることができるようです。
共通の会話で盛り上がることができるけど、考え方が違う人と定義付けることができるのでしょうか?
この部分の考え方はしっくりこないけど、この部分はとても共感できるよね。だったらしっくりこない部分については、このように整理すればより解像度が上がるのでは?
と言うような会話が学び合いの会話としては、とても学習効果が高いのではないでしょうか?
人って、基本的に、自分の考えを相手に伝えようとするときは、同時にその考え方の正当性も受け入れてもらいたいと考えがちです。
その考え方を否定するつもりはありません。むしろそういう欲求が素直に出せる場と言うのは、心理的安全性という点で非常に重要だと思います。
でも、よく考えてみると、これって自分の考えの正しさを主張しているわけで、根底にはより真実に近づきたい、より良くしたい、と言う知的欲求があるのではと?考えると、学び合いの会話の中でより、それに近づくと言う行為そのものの価値の高さがなんとなく腹落ちできるのではないでしょうか?
こうやって整理してみると、前に書いた知的水準とも関係しますか知的水準が高いと言うより、知的好奇心が高い人が良いのではと言い換えることができるかもしれません。

人間性は大事か?

ビジョナリーカンパニー2の中では、この部分についても重要性を説いています。これについては、知的好奇心が高ければ自説にこだわらなくなるのではと思っており、あまり気にする必要がないのではと言う気がしてます。
バスの中での会話で、自説を思いっきりさらけ出せる、心理的安全性が確保されており、お互い言いたいことを言い合いつつ、それを組み合わせてより良い答えを導き出すと言う方向性に対して、皆の意欲が向かっていれば、自然にそういうマインドが醸成されていくのではないかと思っています。
そうするとあまり自説にこだわりすぎない、それがより良いと認めれば素直に受け入れると言う、素直さと言うのは結構大事かもしれませんね。
めちゃくちゃ話が飛びますが、高校野球の世界で大阪桐蔭がなぜ強豪であり続けられるのかと言うのはどうも、こうした空気を伝統的に保ち続けることができているかららしいです。
日本中から野球の上手い、クソ生意気な子供たちが集まってきているのですが、自分たちよりもレベルの高い上級生が日本一になるために何をすべきかを自ら考え、みんなで議論し、実践している姿を目の当たりにすると、自然にその影響を受けて、思考と行動がその方向に変わっていくらしいです。

プランドハップンスタンス?

こうやって整理してみると、実はこの考え方は、キャリア理論の有名な1つの考え方ととても似ていることに気が付きました。
それは、ブランドハップンスタンス、計画的偶発性です。よりこうありたい、こうなりたいと言う願望の解像度を高める方向性で考え過ごしていると、人生の中で訪れる様々な選択肢の中で、直感的に自分望む選択を行う可能性が上がると言う考え方が計画的偶発性であると言うふうに私は理解しています。
バスの中で、チームとしてありたい、実現したい姿を議論し、実践していくことにより、組織としてより望ましい目標に向かってバスが進んでいく。最初から目的地を決めるわけではないが、あるべき方向に自然とバスは向かうだろうと。
なぜそうなるのかについて、論理的に説明できるわけではありませんが、高い確率でそうなるだろうと言う腹落ち感はあります。

私達の仕事って

この文章書きながら、私たち人材紹介の仕事ってまさにこのバスの乗る人を選ぶお手伝いをしているなあとめっちゃ思っています。それぞれの企業というバスにあった人を乗せる人を選ぶお手伝いですよね。
一方求職者側の方々に対しても同じバスの乗って目的地を決める仲間なんじゃないかと思っています。

なので転職活動についても「早く行くならひとりで行け(転職することに決めたら、自分でいろいろなところから情報集めてさっさと決めて行動する)、遠くに行くなら仲間と行け(私たち一緒に考え、調べて、その中から得た気付きや学びを通して転職活動の目的地を決めていく)」といえるのではないか?そして私たちは一緒に関わった求職者と一緒のバスに乗って思いもよらない目的地に着くお手伝いができればよいなあと思っています。

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