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自律性をはぐくむ職場づくり

自律性をはぐくむ職場ってどうやったらできるんでしょうか?

とある企業から相談を受けておりまして、いろいろと考えている状態です。

自分自身の思考の整理をするために今回はこれをテーマに書き散らかしてみたいと思います。

そもそも自律って何??

じ‐りつ【自律】

 他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。「自律の精神を養う」⇔他律
 カントの道徳哲学で、感性の自然的欲望などに拘束されず、自らの意志によって普遍的道徳法則を立て、これに従うこと。⇔他律
[類語]独立自立自決自主自助一本立ち独り立ち独り歩き自粛自重自戒自制禁欲控える差し控える憚る

出典 小学館デジタル大辞泉について 

とあります。自分自身の考えに基づいて行動することということかなあ?

では「自律的に働く」とはどういうことなのか?

「働く」とはどういう状態かをもう少し整理する必要があるかもしれません。早速ネットで検索してみましょう!!

うーーん残念ながら、観念的、あるいは道徳的な内容しか出てきません。

ということは「働く」という行為そのものは実はかなりあいまいなものだったのかもしれません。

おそらくは何かを行ってその報酬を得ることが働くことではと定義づけられるような気がします。

ヤマキンが好きなようにスキーをしているだけでは報酬を得ることはありませんけど、人に教えたり、動画をYouTubeにアップして金銭的価値を求める行為としてスキーをするとそれは働くことになるわけですね。つまり自分の行っている何かが他人にとって価値があり、それが金銭的価値の対象となるとそれは働くことになるという事でしょうか?

いやもう少し言い換えると報酬を得ることを目的として何かを行うことが働くという事でしょうか?(報酬は金銭的価値だけではないと思います)

働くという感じは 人と動くに分けることができるので、人のために何かをするということが働くことだと言い換えてもよいのかもしれませんね~

なるほど!!

そうすると「自律的に働く」とは

「自分が他人にためにできることを自分自身の考えに基づいて行う事」と定義づけることができるような気がしますね~

私が尊敬してやまない海老原嗣生さんは以前に安易に社員に「自律性」を求めることの危うさについて指摘していました。

自律性を安易に求めるとマネジメントを放棄するような管理に陥りやすく、組織もそこに所属して働く人も無責任状態に陥る中で、自律性という言葉に社員がとらわれすぎてその中でも結果を出さねばならないという呪いに縛られてしまう懸念を指摘されています。

ブラックベンチャーでよくある、やりがい搾取ならぬ自律性という圧をかけて社員にノルマを課すという奴ですね(ここに「あなたの成長のためだから‥」みたいな言葉を上乗せするとより悪い効果が生まれます)

そもそも自律できている状態が必要では??

もう一つ自律的な状態に誰でもなれるかというとそんなことはないと思っています。これについてはなれている人となれていない人という考え方をヤマキンは持っています。

@hokurikujinzainet.com

ご存じマズローの欲求段階説の画ですが、点線部分より上の欲求段階で行動できている方はかなり自律できているように思っています。
承認欲求には「他人から認められる」欲求と「自分らしさを受け入れる」欲求があると思っていて、自分らしさを受け入れられるレベルになると自律できていえるのではないでしょうか?

端的に言うと、他人からの視線が気にならなくなると人は自律的に行動できるようになるのではと思っています。マズローの欲求段階を引き上げていくことで自律的なマインドが生まれてくるのではないかと??

「自律的に働く」は本人任せだけではNG

「自律的に働く」ことを本人任せではまず有効に機能しないといえると思います。え、じゃあフリーで働いている人は皆自律的に働いているじゃん!!
という反論もあろうかと思いますが、一人で働くのであればそれは本人次第ということができるでしょうが、職場(複数人の人が同じ目的達成のために働いていてそこに協業が求められる環境)では本人任せだけではおそらくうまく行かないのでは思っています。
つまり自律性を発揮できる場づくりがとても重要で、これがうまく機能するとそこで働く各人の欲求段階も上がってくるし、そういうレベルの人もそのまま働けることになります。

本人の欲求段階レベルがどこにあるかは確かに重要ですけど、それを担保するだけでなく、欲求段階レベルの向上を促す場づくりがとても重要なのではと思います。

自律を促す場はどうやって創れるのか?

コンフォートゾーン

コンフォートゾーンについての概念をご存じでしょうか?
元GEのノエルティシーが上記の図で説明しているのが一般的に知られているようです。
コンフォートゾーンにいるといこごちが良すぎて成長できない!だからそこから抜けてラーニングゾーンに向かうべきであるという説明によく用いられています。まあ筋肉増やすときには多少負荷をかけてないと成長しないよというのと似ていて、同じことをやっていても成長できないから適度なストレスかける環境に身を置きましょうということですよね?

さてこのコンフォートゾーンの概念を職場の雰囲気に置き換えてみるとどうなるかということでとても分かりやすい定義付けがなされていたのが上の図です。
この図って個人的にはすごくしっくり来ています。同時に日本の職場ってほとんどが不安ゾーンか無関心ゾーンになっているんではという衝撃的な思いを持ってしまいました。

ちなみに自律性をはぐくむ場は「学習ゾーン」だろうなと思います。

日本の大部分の会社がやっているやり方では不安ゾーンにまっしぐら!!

管理と統制的なマネジメントやっていると、まさに不安ゾーンにまっしぐらです。押し付けられた目標の達成を求められ、必死でそれを達成するとさらにハードルの高い目標を押し付けられ、NOといった瞬間に出世の階段を下りることになってしまうので拒否もできない・・
成果主義って本質的には無茶なノルマをこなした人が出世する仕組みになっているのですから、そりゃまあしょうがないともいえるのですが、そうすると働いている人が誰も幸せを感じなくなってしまうし、仕事は無意味な数字を積み上げるだけになるし、人の育成って、体力根性で無茶なノルマを乗り越えるというまさしく昭和の体育会系のしごきになってしまうわけですよね・・
誰も幸せになれない気がします。

まずは心理的安全性を高めコンフォートゾーンへ

まずは、心理的安全性を高めつつ快適ゾーンへのシフトを図りましょう!!
プロジェクトアリストテレスでも心理的安全性が最も重要といわれていますけどヤマキンは心理的安全性を高めることによって組織の心理状態が快適ゾーンに向かうことは間違いありません。
ただgoogleってもともと知的好奇心がめっちゃ高い人たちの集まりなので心理的安全性を高めると本来の知的好奇心がそのまま集団知性の発揮に向かう可能性が高いのではと思っています。私たち凡人の集まりではそのまま居こごちは良いけど馴れ合いの職場になってしまう可能性が高い。つまり心理的安全性を高めるだけでなく集団的知性を高めるためにはもう一工夫が必要だと考えています。

集団的知性が生まれる場を作るには??

ということで心理的安全性を高めつつもう一工夫して集団的知性が発揮できる場づくりへの一工夫が必要だといえるでしょうか?
チームメンバー全員が学習ゾーンに向かう集団作りを作るにはどうすべきか?
これっていろいろ考えたのですが実はヤマキンが大学でキャリア教育の授業を担当していてその際にアクティブラーニングに関わっていたところにヒントがありました。

アクティブ・ラーニングとは、能動的学修のことを差し、学修者(児童、生徒、学生等)が受け身ではなく、自ら能動的に学びに向かうよう設計された教授・学習法のことです。
具体的には、グループワークやディベートが一例としてあげられ、学修者の認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験といった能力を育むことが目的とされています。

これは、文部科学省の用語集や、2012年8月に取りまとめられた中央教育審議会答申に出てくる以下の記述が参考になります。

「生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材は、学生からみて受動的な教育の場では育成することができない。従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。」
中央教育審議会答申より

アクティブラーニングをもう少しわかりやすくいうと「ねばねば習う」のではなく「わくわく学ぶ」場を創ることで学生の内発的な動機づけによる学びのモチベーションが啓発され、それが知的好奇心と結びつくと爆発的な成長につながるということです。

学校教育の中でも少しづつですがこうした学びの機会を創ることで学生の成長を促す教育で効果を上げている事例が少しづつ増えてきています。

このような学びの場を働くチームの中に創ることが組織をラーニングゾーンにいざなうことにつながるのではと思っています。

このあたりって私たちのようなねばねば教育しか知らない世代はあまりピンとこないかもしれません。でも学校教育の中でアクティブラーニングを経験した世代が増えてくるとむしろこうした学び方が当たり前になってくる可能性も感じます。

こうした人材育成の仕掛けと仕組みを企業内で定着させることが今後の企業の人材育成戦略の中で最も重要になってくるのではないでしょうか?
※ちなみにヤマキンはこういう仕掛けは中小企業のほうが構築しやすいのではという仮説を持っていて実際にいくつかの企業の方々といろいろと模索しております。

このあたりについてはまた少しづつ考えをまとめていきたいとおもっております。

ご興味ある方、一緒に考えてみたい方はぜひ私宛にご連絡いただければ・・


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