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チャンスの神様とはぜったいに友達になれないって思ってた 〜前編〜

「名刺? めんどくさくない?」

名刺を配るのが当たり前の場で彼女は、笑顔で言い放った。こっちが悪いことをしているみたいで恥ずかしくなる。そんな言い方……。

一番嫌いなタイプ。派手なベリー色のワンピース。濃いメイク。目立とうとしている人って苦手。彼女とは友達になれそうにもない。

「起業家に夢を語る13人の女子」と題されたそこに彼女はいた。派手な服に大きな声。本当は私も真っ赤のセーターをこの日のために新調していた。だけど前日、夫に「ちょっと違うんじゃない?」と軽く言われたのを気にして、グレーのタートルに淡いグリーンのスカートにした。友人からは「きれいな色」と褒められた。うん、やっぱり万人受けするものがいい。冷静な夫は頼りになる。

ほらね、目立とうとするなんてダサイんだから。彼女からは少し距離をおいた。だけど気になる。自然な感じで近づき、気持ちを悟られないように話しかけた。彼女は全員に同じ笑顔と態度で、当日のメインゲストにも何枚もの写真撮影をお願いしていた。
悪い人ではなさそうだから、接点だけは持っておこう。深く関わる事はないけれど。これが私のその日の感想。

彼女が私のチャンスの神様だとも知らずに。

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https://amimorinaka.com/chancenokamisama20180127

ありがとうございます! ひきつづき、情熱をもって執筆がんばりますね!