古傷に塩

疑っていたことのほとんどは信じたかったこと 広島で弾き語りをしています。

古傷に塩

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最近の記事

愛をつかまえて

へたっぴに抱きしめてくれたあの体温は、いつから私だけのものになったんだっけ 思い出せないけど、ちゃんと特別だった。 手を繋げば繋ぐほど、他の誰かじゃだめだと思った。温もりを交換すればするほど、その他の全てを温もりとすら感じられない気がした。 あなたの隣でほんの少しだけ鈍く進む時間が好きだった。アラームなんてかけずに寝れてたあの日が、寒いって理由だけでダラダラと帰らなかったあの日が、全部が錘なって私にのしかかる。 時間は絶対に戻らないし、絶対に止まらないし、絶対に進んでい

    • クラウチングスタート

      死にたくなった。わかりやすく、わかりにくく。けちょんけちょんになって、届かなくて、言葉になるべきだったものたちはあまりに醜くてみていられなかった。冷静になって、地に足つけて打ち込んだ言葉を消す自分が本当に大嫌いだった。 笑えないなぁ、ほんとに。言葉が、感情とか思考とか、経験すらも追い越していく瞬間が好きだった。何かがぴったりと重なる、歯車が揃う瞬間はいつもクラウチングスタートを切っているみたいだった。スローモーションにすら思えた。 体育祭のリレーの、足に体がついてこないあの

      • 二度目の、これにて!

        雨に降られながら家まで帰る道、冷たい空気に絶望しながらふっとあの人が過去になった。 ああ、いろんなことがあったっけな。失ったものばっかだったっけな。それすらも選んだんだっけな。結局なにも手に入らなかったけど、2人の間の空気の分厚さは一つも変わらないまま、時間とも呼べない「今日」が積み重なっただけだったけど、それでもそれすらも選んだんだよな、幸せだったな。 怒られても、バイトだるくても、思い返すだけでいつでもニコニコできたっけな。そう言えばあの時なにを思い返してたんだっけな

        • 赤信号を待ち侘びて、帰り道

          残り8%、22:26、まだ誰かに会いたくてわざわざコンビニでモバイルバッテリー借りて、飲みたいお酒の一本すら決めれないまま時間は過ぎた いらないDMが増えて、あなたからを待ってるの人だけが足跡だけ残して前に進む。 都合よく降ってきた雨のせいで一言で表せられない感情に見舞われながら、こんな逃げ方をしてしまった自分を哀しく思う。 ひとりぼっち、慰めながら時間は流れて充電は溜まって、雨は止んであの人は寝た。 どんなに離れてても、結局電話には出てくれるあの人は、いつも当たり前みた

        愛をつかまえて

          思わないで

          首からぶら下げてる、もう薬指には付けれないペアリングは2人の思い出というよりかは愛してもらっていた証拠で、やっぱり最後の最後まで自分ばかりだった。 あなたがいないと、って泣きじゃくる夜は昨日とか今日とかそういう単位で突然訪れるし、そのせいで突然自分がものすごくつまらないものになった気がしてしまう。 ぐちゃぐちゃに動く心とか考えとか、そういうものたちが、整理されない全部が大切で大切で仕方なかったこと。 決して幸せじゃなくても、なにも言葉が出てこないよりはよっぽど幸せだってこ

          思わないで

          初夏までのカウントダウン

          冬、極寒、無意識のうちに肩が上がる 冷たさ、切なさ、全部がかじかんで霞んでうまく見えないせいで、捨てることも避けることもできずに取り込んだそれを体内に充満させないために息を止めるように、詰めるように、肩が上がる。 意を決してゆっくりと吐き出す息、それと同時に取り込んでしまった冷たさや切なさは体温で少しだけぬるくなって、身体中に行き渡る。 あたたかい。生きている心地がする。 生きている。 春になるとゆるい匂いや風になぜか涙が出そうになる。冬の間に身体中に充満させたあれやこれは

          初夏までのカウントダウン

          電車の駅は建物の中でもいつも肌寒くて、その冷たさがそのまま家の暖かさを回想させてくれるなぁ、と それでも立ち止まっては泣いてしまうけど

          電車の駅は建物の中でもいつも肌寒くて、その冷たさがそのまま家の暖かさを回想させてくれるなぁ、と それでも立ち止まっては泣いてしまうけど

          正当化

          マッチングアプリを始めた。始めてしまった。 左にスワイプし続けるだけで、ただあの人を超える人にいつか会えるのかと思うと馬鹿馬鹿しい。 新しいマッチが見つかりました、なんて言われるたびに呆れた気持ちになる。その「あの人」がどの人なのかすらもわからない自分が、突然薄汚れたもののように感じる。 あの人が手を離すと決めてからちゃんと離せてしまっているのは、手を繋いでいた間に迷いも後悔もなく愛してくれていたからだろう。 愛おしい、と思う。忘れられない、とも思う。 今でもそれを笑っ

          人を傷つけるということは自分を傷つけるということとほとんど同義だと思う。 人生にリセットボタンがあるとしたら、私はこれまでに何度押したのだろう。

          人を傷つけるということは自分を傷つけるということとほとんど同義だと思う。 人生にリセットボタンがあるとしたら、私はこれまでに何度押したのだろう。

          今でも心が元気じゃない日にあの人のことを好きだった自分を詰め込んだプレイリストを聴いてしまうのは、涙が止まらなくなったって電話かけちゃえばまだ声が聞けるって馬鹿みたいに信じてるからで、 今でもまだ甘えてるんだろうな

          今でも心が元気じゃない日にあの人のことを好きだった自分を詰め込んだプレイリストを聴いてしまうのは、涙が止まらなくなったって電話かけちゃえばまだ声が聞けるって馬鹿みたいに信じてるからで、 今でもまだ甘えてるんだろうな

          −196

          めぐる感情をことばにできなくて,確かに大切な何かが胸に詰まって苦しくなったりしてるのに,肝心の何かが分からなくて,そんなのはありきたりな話なんだけど,あのぬくもり,手のひらの皺の形まで全部が優しさでできてたこと。 その優しさを感じ取れるのが自分だけであって欲しいと願うこと。 最後の最後で流した涙のこと。 別に頑張ってもないのに,泣きながらも笑って手を振れたこと。 一つ一つが全部特別になっていく。別にいいのに,特別になっていく。 もっと大切にできたはずの日がそのままで積

          さっきまで持ってくれてた鞄があまりに重くて、それが全部あなたでした

          さっきまで持ってくれてた鞄があまりに重くて、それが全部あなたでした

          君の隣

          一番近くにいるはずなのに視界の角度も色も,映る何もかもお揃いにならない日々が,くだらないし中身のない会話をふわふわとしてしまう私と,どこにいても同じように携帯の眩しすぎる光の前で鬱陶しそうにしている彼と, それでも「ふたりのひび」を愛おしく思う気持ちが止まらない私と。 ただ手を繋ぎたくて,馬鹿にされることも呆れられることも,笑われることも笑ってすらもらえないことも覚悟した上で,なにも気づいていない顔して靴を履く。 会いたい,会いたい,言葉も優しさも愛情も何もなくても,た

          もしも、

          報われないその恋心に傷つけられるくらいなら、私がずっとずっと幸せにしてあげるのに それじゃ意味ないことくらい 私だってよく分かってるよ だって  君じゃなくちゃ駄目な私がここにいるからさ、 そんなことを歌ったこと。歌えたこと。 うたった相手。 本当に、恋をしていた 僕の好きな君を僕より好きな人なんて、いないと思ってた。 顔が、じゃなくて、顔の筋肉の動かし方が好き。 言葉が、じゃなくて、別にわざとチラつかせようとしてるわけじゃないってわかるのに、それでも裏っ側から

          失った後も完璧な

          読むならば人生で今が1番ベストなタイミングだと思いました。正解でした。恋をしていました。 しょーもない歌にほろ酔いで頷いてしまうような、抱きしめるだけでこの人と結婚するんだー、って思ってしまうような、 1人で食べても何とも思わないものでも2人で交互に食べるだけで死ぬほど絶品に変わってしまうような、 雨の日憂鬱な中でも腕組んで見せびらかして歩きたくなるような、 そんな恋を思い出した。 手を離したその日に、「超ビビリだから1人じゃ見れないような映画も2人なら見れたっけな

          失った後も完璧な

          キラキラは呪い

          あなたの幸せを馬鹿みたいにずっと祈ってしまう曲ばかり聴いてる。 君が幸せなら良いな、なんて思いながら。 もっと噛み締めればよかった、 お酒になんて酔ってなければ良かった、 馬鹿だー。 でも、きっとあの林檎のスト缶がなければ昨日はなかったから、何一つ間違いじゃなくて。 一緒に入ったお風呂が狭かったこと、もっともっと狭ければよかった、なんて思うこと。 だいすきだよ、だいすきだよ、死にそうなくらいに大好きだよ そんなこと考えながら歌う、8ミリフィルム、 呆れちゃうくらい

          キラキラは呪い