井中圭

横浜ベイスターズのファン歴63年。1998年の日本シリーズ第6戦は、横浜球場にいて優勝…

井中圭

横浜ベイスターズのファン歴63年。1998年の日本シリーズ第6戦は、横浜球場にいて優勝決定の瞬間、大泣きした。風邪をひいて翌日から寝込んだ。

最近の記事

ハマかぶれ日記184〜五月の鯉の吹き流し

 快晴の端午の節句となった。朝の散歩コースである善福寺公園の上の池には、幅30メートルほどの水面を東西に横切って張り渡らせたロープに赤、青、黒、緑、橙と色とりどりの鯉のぼりがずらりとくくりつけられ、気持ちよさそうに風にそよいでいる。  体長はそれぞれ4メートルぐらいもあろうか。それが、数えると18匹も連なっている。毎年、節句が近づくと、公園事務所の心遣いでお目見えする地元の風物詩だ。一緒に散歩するパートナーなどは「シシャモみたい〜」と、ざっかけない感想を漏らすが、きょうはまさ

    • ハマかぶれ日記183〜私のホトトギス

       早朝から、うららかに晴れている。そよぐ風が気持ちいい。前夜のアルコールもお陰でさっと抜けていく。善福寺川沿いをいつものようにぶらついていたら、どこからともなく卯の花の艶かしい匂いが漂ってきた。これでホトトギスの忍び音でも漏れてこようものなら、童謡「夏は来ぬ」そのままの季節の感興を都会にいて味わえるのにと呟いて流れ歩きしつつ、故郷の空に思いを馳せた。  ホトトギスは郷里・香川の県の鳥だ。小学生だった1966年、県の鳥に指定された時、学校の先生が「なんでかっちゅうたら、この辺に

      • ハマかぶれ日記182〜一つのヒューマンストーリー

         昨夜は、同じ杉並区に住むパートナーの妹さんが手作り餃子をふるまってくれるというので、家族ぐるみでご馳走になった。焼きと蒸し、用意された2種類の餃子は期待通りに美味しく、ビールにマッチして気持ちよく酔わせてもらった。  妹さんは、大手スーパーチェーンの大型店舗の運営を任され、店長として切り盛りするビジネスウーマン。キビキビした物腰やはっきりした物言いに聡明さを感じる。餃子に限らず色々な料理の腕前が達者で、一緒に供された鶏南蛮も程よい酸味に大いに食欲を掻き立てられた。  きょう

        • ハマかぶれ日記181〜わてほんまによう云わんわ

           おいおい、これは卓球のスコアかと呆れ返った。昨日の名古屋のデーゲーム、対中日ドラゴンズ戦で、わが横浜ベイスターズは11対1の大差で惨敗した。まるで、卓球のオリンピック選手に普通の高校生の選手が挑んだような数字。先日、好評のうちに放映が終わったNHKの朝ドラ「ブギウギ」で、趣里演じる主人公のモデルとなった同郷・香川県出身の笠置シヅコ(1914〜1985年)が歌った往年の大ヒット曲「買い物ブギー」の決めフレーズが思わず口をついた。「🎵わてほんまによう云わんわ〜🎵」  振り返れば

        ハマかぶれ日記184〜五月の鯉の吹き流し

          ハマかぶれ日記180〜夏の使者ショウブの季節

           明日から風薫る五月だ。確かに木々の緑が日ごとに濃くなり、樹間をわたる緑の風はサワサワと、そこはかとなく芳香剤を思わせる木の肌の香りを含んでいるようで、五感すべてに快い。ただし、それは散歩を楽しむ早朝の特権で、昨日もそうだったように、お日様が中天に差しかかってくる頃には風の効用も失われ、真夏のように暑くなる。いま、午前11時。なのに朝のスタイルの薄手の長袖でも暑苦しく、今年はじめて半袖姿となってパソコンに向かっている。  今朝の散歩では、善福寺公園・上の池の左岸で咲き誇ってい

          ハマかぶれ日記180〜夏の使者ショウブの季節

          ハマかぶれ日記179〜人間ドック余談

           昨日は、港区・三田にある大きな病院で人間ドックに入っていた。年に一度の念入りなボディーチェック。3年前のドックでごく初期の胃がんが見つかり、すぐに内視鏡による切除手術を受けて、ことなきを得た経緯もある。毎月かかりつけの医者に血液検査をしてもらっているが、胃カメラや肝臓のエコー検査などは施設の整ったところでないと受診できない。常日頃の生活態度を振り返る意味で、重要な年間行事となっているのだ。  受診着に着替え、衣類や持ち物をしまうロッカーの鍵の番号で呼ばれる案内に従い、10数

          ハマかぶれ日記179〜人間ドック余談

          ハマかぶれ日記178〜どんでん返しの惨劇

           20世紀の演劇のあり方に大きな影響を与えたとされるドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒト(1898〜1956年)は、自作の劇づくりに当たって、どんでん返しの展開を重んじた。半世紀近くも前の高校時代、背伸びして有名なその演劇理論「異化効果」などについて読みかじり、したり顔して本好きの同級生らと是非を論じ合ったりした。思い出すだに、布団にすっぽりくるまってウジウジしたくなるような若気の至りの、恥ずかしい捨て去りたい記憶の中で、代表作「三文オペラ」に見られる、どんでん返しの劇的効果

          ハマかぶれ日記178〜どんでん返しの惨劇

          ハマかぶれ日記177〜若き度会の悩み

           かのドイツの文豪・ゲーテを気取れば、「若き度会の悩み」とでも表せるだろうか。わが横浜ベイスターズのトップバッターで、このブログでも再三、取り上げてきたドラ1のルーキー、度会外野手が迷いの道に踏み込んでいる。  昨夜、本拠地・横浜球場で行われた対阪神タイガース4回戦。延長12回、規定により引き分けた試合で、度会は6度、打席に立ち、死球で1度、塁に出ただけであとは凡打を繰り返した。とりわけ、最終回2死1、3塁の一打サヨナラ勝ちの好機に3球三振したのは、今の低迷ぶりを象徴していた

          ハマかぶれ日記177〜若き度会の悩み

          ハマかぶれ日記176〜これでいいのだ

           細かい雨が早朝から降り続いている。愛犬の千に雨具をつけ、傘を差し掛けていつもの善福寺川沿いの細道を辿っていたら、ひと仕事終えたのだろうか、大きな図体の川鵜が盛んに羽を広げている。晴れた日に護岸の構造物などに乗って濡れた羽を乾かす姿をよく見るが、ポーズはそっくりそのままだ。けれどもきょうの場合、足は浅瀬に踏み入れているし、しとしと雨が羽を避けるわけじゃない。。「おいおい、そりゃ、無駄だろう」。見下ろして異見を始めたら、ぷいと横を向いてどこへやら、バタバタと飛び立っていった。

          ハマかぶれ日記176〜これでいいのだ

          ハマかぶれ日記175〜枕草子の楽しみかた

           先日この日記で取り上げた東野圭吾さん著の「白鳥とコウモリ」(幻冬舎文庫)に続き、柚木裕子さん著の「月下のサクラ」(徳間文庫)と、このところ立て続けに売れっ子作家のミステリーや警察小説を文庫本で読んだから、気分を変えて新書を手に取った。気鋭の社会学者、吉野利彦さん著の「冷戦史」(中公新書)。イデオロギーの対立に端を発して生まれ、膨張した現代社会の歪みの足取りが非常に良く整理され、かつ文章も平易で、頭の中に死蔵されていた記憶を反芻しつつ、とても興味深く読んでいる。  ただ、年号

          ハマかぶれ日記175〜枕草子の楽しみかた

          ハマかぶれ日記174〜チコちゃんに喜ばれる

           あのツツゴーが帰ってきた。今朝のニッカンスポーツ紙(東京版)の1面には特大の活字で「おかえり筒香」の見出しが躍る。わが横浜ベイスターズの元主砲で大リーグに活躍の舞台を求めていた筒香嘉智外野手が、5年ぶりに再入団したのだ。昨日、横浜スタジアムで行われた公開入団記者会見には、雨模様の天候にもかかわらず、約9600人ものファンが集まった。この大歓迎に、筒香は「正直、かなり鳥肌が立っています」と話したという。今風の「鳥肌」の言葉の使い方。そう、鳥肌の立つような活躍を期待してまっせ!

          ハマかぶれ日記174〜チコちゃんに喜ばれる

          ハマかぶれ日記173〜舌福の浪速路

           15日の月曜日から今日まで4日間、福岡、大阪と渡り歩いてきた。久しぶりに会った人たちとの会食は楽しく、帰って恐る恐る体重計に乗ったら2キロも増えている。まあ、これぐらいは仕方ないかと呟きつつカレンダーの予定を見ると、明日はかかりつけの病院での月に1回の定期健診の日だった。すっかり忘れていた。糖尿病の世界では結構、名の知られたK先生は、体重の増減には一際うるさい。このままでは何を言われるかもしれないと、今から戦々恐々としている。  そのかたわら、思い浮かべるのはこの旅の間に食

          ハマかぶれ日記173〜舌福の浪速路

          ハマかぶれ日記172〜白鳥とコウモリ

           人気作家・東野圭吾さんの小説「白鳥とコウモリ」が今月はじめに幻冬社から文庫化されて出版されたので、さっそく買って読んだ。さすがに稀代のストーリーテラー。登場人物のキャラクターや関係性、エピソードが極めて緻密に構成され、それが織りなす物語世界が巧妙にテンポよく展開される。間延びするいとまなどさらさらなく、一気に2日で読み終えた。  小説の舞台はもっぱら門前仲町や九段下、高円寺といった、駅前の光景がすぐに目に浮かぶ都内の土地勘のある場所だったが、一か所、かねてから訪問したい全国

          ハマかぶれ日記172〜白鳥とコウモリ

          ハマかぶれ日記171〜四十雀に学ぶ

           朝、善福寺川沿いを歩いていると、色々なところから鳥のさえずりが聞こえてくる。恋の季節に入っており、一年で最も盛んに鳴き交わす時期だろう。とりわけ、行く先々で耳に入り、なおかつダントツに大きく響くのが四十雀(シジュウカラ)の鳴き声だ。  注意深く聞いていると、一番ポピュラーな「ツツピー、ツツピー」と3、4回繰り返すパターンのほか、「ツピー、ツピー」「ツッピ、ツッピ」「ピーツピ、ピーツピ」などと、何種類も違う声を出している。何を伝えているのか、それとも単に個々の趣味の違いによる

          ハマかぶれ日記171〜四十雀に学ぶ

          ハマかぶれ日記170〜馬酔木で妄想

           強い低気圧が去って、大気は早朝から明るく澄み渡っている。午前5時半の気温は6度。前日より10度近くも低い。一緒に散歩するパートナーは仕舞い込みかかっていた毛糸の手袋を引っ張り出してつけた。散歩の主役の愛犬・千は何日かたたられた大嫌いな雨もない上に、これぐらいの寒さの方がかえって気持ちいいようで、快調に歩を伸ばす。それぞれの佇まいを観察しつつ、なるべく年寄り臭く身を縮めないようにし、時々、手をハアハアしながら、いつものコースをたどった。  善福寺公園の池に差しかかると、前日ま

          ハマかぶれ日記170〜馬酔木で妄想

          ハマかぶれ日記169訂正

           テレビをつけて驚きました。今日のベイスターズの対戦相手は何と中日ドラゴンズで、しかも場所は横浜球場でした。広島でカープ相手とは、どこでどう混線したのか。本当にお恥ずかしく、お詫びして訂正します。なお、ティッシュのてるてる坊主にも西の空に向けて意味のないパフォーマンスを強いたことを、深く反省しています。

          ハマかぶれ日記169訂正