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通訳案内士が「顧客満足」を高めるために大切なこととは

マーケティングでは「顧客満足」が重要だと言われますが、通訳案内士の場合に、顧客満足を得るためにはどうすれば良いのでしょうか。
 
「正しい英語で正確な説明をする」「心をこめてご案内する」ということでしょうか?もちろんそれも大切ですが、これらはサービスを提供する側の発想ように感じます。
 
これまでのガイド経験から考えると、顧客が本当に望んでいるのは、実はガイディングそのものとは別の部分にあるようです。特に個人客相手の通訳案内士の場合は、その傾向が強いと思います。
 
ここでは、私が感じた「本当に大切なこと」についてお話しようと思います。


顧客との最初のコンタクトから既に始まっている

 
集客を自分のウェブサイトで行う場合は、お客さんとの最初の接触は、お客さんからの問合せや申込みがあった時点になります。(実際は、お客さんがウェブサイトを見た時点から始まるのですが、今回の話では、その部分は割愛します)
 
まず、できるだけ早く返事をします。基本は当日、遅くとも翌日である必要があります。
 
よく、きちんとした返事をしようといろいろと考えて、実際に返事をするまでに数日かけてしまう人がいますが、その時点でもう注文にはならないと思いましょう。内容にこだわる前にまずはスピード、これはビジネスの大原則です。
 
また、お客さんの疑問や質問に対しては、正確に答えることが大切です。特にお金に関すること(金額や支払条件、キャンセル条件など)は、正しく明確に伝えることがとても重要です。同じく、お客さんから支払いを受領したら、その旨すぐに知らせましょう。これだけで顧客満足度は格段に向上します。
 
また、Noの返事をする場合は、できるだけ早い段階で、はっきりと(かつ丁寧に)お断りすることが肝心です。早めにお断りをしたほうが、お互いにとってメリットが大きいからです。

要望を把握して、柔軟に対応する 


プライベートガイドの場合、事前にお客さんの希望を聞いて、プランを提案するようなことが多くあります。その時は、できるだけ柔軟に対応することを心掛けましょう。これこそが、大会社とは違う、プライベートガイドの優位性なのです。
 
たとえば、私は通常最大6人までの小グループしかお引き受けしませんが、場合によっては、これを超える人数でも案内することがあります。お子さんが何人もいるグループなどは、ガイドが見つからないと大変でしょうから、方針を曲げて対応します。原則はあくまで原則、フリーランスの仕事で、それに縛られる必要はありません。
 
ただし、お客さんに希望を聞く時は注意が必要です。お客さんは必ずしも日本に詳しいわけではありませんから、「どこに行きたいか」ということを質問しても、ストレートな答えが返ってくるとは限りません。ざっくりとした好みや嗜好をきいたら、適切なプランを考えるのが、プロであるガイドの仕事です。

お客さんに負担をかけないやり方を考える


顧客満足度を高めるためには、できるだけシンプルでお客さんの手を煩わせないにサービスにするべきというのが、私の考えです。
 
例えば、ツアー中の交通費を事後に精算するというのは大変面倒です。私は、ツアー中の電車や地下鉄の見込み交通費をツアー料金に含めており、事後精算は行いません。料金はグループ当たりいくらという形で決めているので、グループの人数や行先によって、負担額が変動しますが、それで構わないと思っています。
 
ツアー中は交通カードを渡して使ってもらっているため、いちいち切符を買ったりすることはありません。最近は観光地の駅の券売機はインバウンド客が並んでいることも多く、そんなところで無駄な時間を使わないのが良いサービスです。
 
この方法は、お客さんにとても好評で、こうした印象が全体としての満足度に好影響を及ぼしていると思います。あくまでお客さんの利便性を一番に考えることが大切です。

まとめ

 
「顧客満足度を高めるには、お客さんの利便性を第一に考えてサービスを設計し、コンタクトの最初から迅速・柔軟に対応することが重要である」でした。
 
集客を自分で行っている場合は、ガイディングスキルの部分よりも、むしろ受注や決済という業務処理部分の対応の良し悪しが、満足度に影響するように思います。
 
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