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フェミニズムはなぜ暴走するのか

フェミニズムと言えば、女性の権利向上を指すものだった。しかし近年、わがままを突き通すためにフェミニズムという権威を借りて暴走しているフェミニストを目にする機会が増えた。このような集団を従来のフェミニストと差別化するために、海外ではフェミナチという言葉が現れ日本ではツイフェミと呼ぶようになっている。

この集団をここではツイフェミと呼ぶが、彼女たちは自分たちの思想と異なる思想を嫌悪し、排除しようとする全体主義に堕ちている。フェミニズムは本来リベラリズムに属する思想であり、多様な価値観を認めるものであった。しかし、今のツイフェミにはその寛容性は全くない。この寛容性の無さは、実はフェミニズムがリベラリズムゆえに起きている現象である。

パトリック・デニーンの著作「リベラリズムはなぜ失敗したのか」でそれが解説されている。リベラリズムが行き詰まったのはリベラリズムに忠実だったからというのが本書の答えとなっている。リベラリズムは現状の不平不満を解消するための魔法であると人々は考えていたが、リベラル化が進んでも不平不満は無くならなかった。その原因は、この不平不満が際限のないもので全て解消することは現実的に不可能であったからである。しかし、このリベラリズムは絶対正義で幸福になるための有効な手段であると考えられているため、ますますリベラリズムが先鋭化していったとされる。結果として、その先鋭化した思想についていけない人々が現れ、彼らはリベラリズムを敵視しリベラルVSアンチリベラルの構図を作り出した。

フェミニズムについても同様のことが言える。女性の幸福を追求するため参政権の獲得からスタートし、社会進出や賃金格差解消を目指した。しかし、その目指した社会は女性が幸福を満たせるものではなかった。それどころか満たされることのない欲求を前に不満を増大させていった。そのため、フェミニズムは際限のない幸せを求めるうちに過激化し、いつの間にか自分のわがままを突き通す人々が今のフェミニストつまりはツイフェミとなったのである。

これ以上のフェミニズム運動はもはや女性を苦しめるだけのものとなっており、この運動を止めるほかない。とは言え、現代においてフェミニズムの否定は異端視される。もちろん、これまでのフェミニズム運動全てが間違っているとは言わないし、古来の伝統的価値観に戻ることは現実的ではないがものには限度がある。

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