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中国と原油市場 【原油BASIC】 2023/06/10

今回は、「中国と原油価格の関連性」について解説する。

[結論]
→「中国経済の影響はとてつもなく大きい」

[本題]
現在の原油価格は需要サイドの影響力が供給サイドよりも大きいため、需要サイドの動向を注視する必要がある。

中国は1日あたりの原油消費量が世界2位であり、需要サイドに大きなウェイトを占めている。

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よって、中国の原油に係る経済指標や統計データは無視することができないのだ。

では、「原油に係るデータ」とは、具体的には何を指すのか。

まず、原油が多く使われるのは「製造業」である。
原油はガソリンだけではなく、多くの工業製品の原料に使用されている。従って、中国の製造業に係る経済統計は原油需要に関して大きな意味を持つことになる。

具体例
① 製造業PMI
→製造業の景気の方向性を示す経済指標である。基本的には、50ポイントを超えれば好況感を持っていると考えていい。
2023年5月の数値は48.8ポイントであり、先月よりも下落しているため、景況感は下がりつつあるということだ。

② 中国自動車生産台数
→文字通り、中国の月間の自動車の生産台数である。自動車の生産及び運用には多くの原油を必要とする。
例えば、自動車の生産台数が増加するとなると、生産するために使う機械のエネルギーや販売した際のガソリンとしての需要が増加する。従って、この指標も重要である。
2023年4月の生産台数は250万台を超えることはなく、3月から下落もしている。
やはり、「良い状態」とはいえないだろう。

他にも消費者物価指数や他の指数も参考にするとより正確な判断ができるが、まずは上記の2つを確認してほしい。

また、中国は2008年ごろから公表していないが、「発電量」に係る統計もあれば参照したい。
なぜなら、発電量は工場稼働率に関連しているからだ。
工場稼働率が低下すれば、発電量を維持、または上昇させる必要はなく、コスパの面から低下させるはずである。
つまり、その国の発電量が継続的、または急激に低下した場合は、電力を多く使用する工場の稼働率が下がってくる可能性がある。
工場の稼働率が下がるということは、製造業の景況感もその先下落するだろう。

すると、原油需要に影響する。

参考1

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