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仏教は奈良時代の最先端科学だった?

奈良時代の医学は、中国の医学を基盤としており、鍼灸や漢方薬が主に用いられていました。
しかし、当時の医学は、現代の医学と比べると、非常に限られたものでした。
例えば、天然痘のような伝染病は、現代の医学でも完全に治すことはできませんが、奈良時代の医学では、その原因や治療法すら解明されていませんでした。
そのため、天然痘などの伝染病に罹患した場合、ほとんどの場合、死に至りました。
このような状況において、仏教は、病気に対する人々の不安や恐怖を和らげる役割を果たしていました。

現代では、もし天然痘にかかったら、病院に行って治療してもらいます。
必要あれば薬を処方してもらいます。

ですが、奈良時代には病院はありません。

となると、庶民ができることは病院に行く変わりに、仏様に祈ることだけです。
これが当時の最近科学だったのです。

詳しく知りたい方は、井沢元彦氏の逆説の日本史をぜひお読みください。

現代で、病気にかかって、病院に連れて行かずにお祈りだけひたすらしている人などはいません。
ですが、奈良時代ではそれが当たり前のことだったのです。
祈り=薬
といった感じだったのでしょうか。
タイムスリップしてみないとわかりませんが…

奈良時代において、仏教は、病気に対する人々の不安や恐怖を和らげ、病気から救ってくれるという思想によって、当時は最先端科学だったと言えます。
いわば仏教は病院といったところでしょうか。

ただし、仏教が当時の最先端科学であったとしても、それは、現代の科学とは異なるものです。
仏教は、科学的な根拠に基づいたものではありません。あくまでも、宗教的な思想や信仰に基づいたものです。
現代の病院とは全く異なるものです。

人が病気で死んだ場合、現代では、死因がわかります。
ですが、奈良時代人はたとえ死んだとしても、その死因を科学的に証明できませんでした。
ましてや、立て続けて不幸が重なりでもしたら、理由がわからず不安を駆り立てられます。
古代の人々はこのような場合、だれかの祟りと考えることが一般的だったようです。
とにかく理由がほしかったのでしょう。

地震や干ばつなどの天災も現代では科学でその仕組みが理解され、地震などはある程度予知できるようにもなっています。
奈良時代にはそのような科学は存在しません。
ですので、天災も神様の仕業、祟りと考えられていたのです。

そして、これらをおさめる科学が仏教です。
お祈りしていれば、いいことがある。
だからひたすらお祈りしよう。
となって広まっていったのです。

以上、「仏教がなぜ広まったのか」でした。



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