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下を向かない

能のお稽古を始めて、もうすぐ一年が経つ。
謡と仕舞(ざっくり、歌と踊り)、両方習うのは欲張りすぎるかなあと思いつつ、思いきって両方始めて、案の定、練習不足でどちらもなかなか身に付かないのだけれど、楽しく取り組めているから、とりあえず良いことにする。

なにより、両方習っていることで、お能を観に行ったときの楽しみ方が、習う前と比べて、広がったように思う。
自分が謡ったことがあると、何を言っているのか頭に入りやすいし、摺り足や型の習得に苦労しているから、プロの方々の足の運びや型の美しさに目を奪われる。

仕舞のお稽古でいつも言われるのが、「下を向かない」、ということ。
気をつけているつもりでも、お稽古の様子を撮って見ると、びっくりするくらい、下を向いている。

振り返れば、日常生活でも、だいたい下を向いているのだった。
あー今日も仕事に行きたくないとか、早起きがしんどいとかなんとか。
これまでの人生、下ばかり向いて生きてきてしまった…

下を向かないようにするには、目線が大事らしい。
顎を引いて、少し先の床を見る。
目線を変えれば、舞姿も変わるはず。

日常生活でも意識して、少しずつ顔を上げて生きていこう。


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