放課後ランプ【毎週ショートショートnote】
『実験室は出るらしい。青白い人魂が浮遊するらしい』
4月から大学生になる莉音は3月の吹奏楽部の演奏会に参加するため1・2年生と音楽室で練習を行っていた。部員数が少ないため、受験を終えた3年生が応援することになっていた。
部活を終えて昇降口まで行ったときに忘れ物に気付いた。実験室の前を通り過ぎようとしたとき、突然、青白く発光した。
「きゃー」
莉音は走り抜けた。
(なに、いまの?確かに光ったわ)
素早く忘れ物を回収して昇降口に向かうと、なにかとぶつかった。
「きゃー」
「うるせーよ、莉音」
「憲吾?」
「なにをそんなに驚いているんだ」
「なにしてるの?」
「見てくか?」
憲吾についていくと、ロウソクのランプがともされていた。色はオレンジではなく青白かった。
「不思議な炎ね」
「青い炎のロウソクなんだ」
「憲吾が作ったの?」
「受験が終わったら作っていいよって、先生に許可してもらったんだ」
理系の大学に進学する憲吾とは3月で別れてしまう。
「あのさ」
(410文字)
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