読書感想文7

AI vs教科書の読めない子供たち(2018).
東洋経済新報社発行
新井紀子著

紹介記事はこちら。

AIは、人間を超えるのか?ターミネーターはいつできるのか?2030年以降AIに仕事奪われて脅威に晒されるのは誰なのか?という疑問にこの本は答えてくれたと思います。
 この中に紹介されているRST「全国読解力調査」から導き出された中学3年間の日本語読解力が人生を左右する!という衝撃を受けております。
 私がよくみていたオタキング岡田斗司夫さんも「バカと無知」の著者橘玲さんも、そして東大卒のお笑い芸人オリエンタルラジオの中田敦彦さんも、この本について語っていたので、読んでみたいと思っておりました。
 そしてついに読み終わって、日本の教育のナンセンスさとこれからのAIとの共存社会に絶望しています。
 なぜなら私は、AIに蹴落とされる方の人間だと確信したからです。個人的には、はよAIに仕事変わって欲しいと毎日思っているので仕事が取られてもイャアー😮‍💨くらいにしか思いませんが、世間一般の皆さんは大変なことになりますね。おそらく今の日本国内の3分の1以上半分弱の労働者が路頭に迷うでしょう。そして主に高齢者や読解力のない人間が対象となるでしょう。
 気になった人はぜひ本書を読んでみて感想を書いてみてくださいね。

 さてこの本は、大きく分けて2つのパートになっており、第一パートは、周りの言ってるAIっていうのは、誇大妄想!勘違いも甚だしい!シンギュラリティとかくるわけない!人間という知能がかなり高いものに、AIはまだまだ追いつけません。2040年にシンギュラリティは絶対来ないという数学者として、「東大ロボ」というAIの作成者としての本音が書かれています。
 第2パートは、AIがまだまだ人間の知能に追いつくのはかなり先の話と言っても、2030年以降には確実に今の仕事のあり方を変えて、AIに仕事を奪れる人たちがいるだろう。それは日本語の読めない子供たちであり、すでに社会に出ている日本語が読めない大人たちであるという著者の意見が、前述したRST「日本語読解力調査」の結果を元に、強く叫ばれています。

 第一パートは、AIに何ができるのかを「東大ロボ」という東大合格をめざすAIを実際に開発して、ぶち当たった困難とaiの限界について書かれていました。ここで、AIの得意なところとできないところが実験過程を元に書かれています。

 実験結果として、偏差値が65を超すことはなかった、東大合格には壁があるということになりました。
 「東大ロボ」君の試験結果として、2013年の代々木ゼミナールのセンター模試試験の結果は5教科7科目900点満点中387点全国平均の459.5を大きく下回り偏差値45,
  2016年度進研模試総合学力マーク模試・6月の結果は5教科8科目で950点満点中525点を出し、平均得点の437.8を大きく上回り偏差値57.1を出したとのこと。
 偏差値57.1は、MARCHや関関同立の複数の学部に合格率80%で入れるレベルです。

 私はすでに負けましたー泣。まあそもそもセンター試験を受けてないので実際の結果は分かりませんが笑笑。日本の教育をまともに受けていない私がやっても「東大ロボ君」には負けるでしょう。

 「東大ロボ」君を阻んだのはセンター試験のある問題が正答率25%以下となるからです。鉛筆コロコロのほうが正答率がある結果になるとのこと。
 
 その壁として、英語と国語の意味と常識が理解できないという致命的な弱点が存在したのです。理由は、AIを含むコンピューターは森羅万象を全て数値化するか、方程式にしてルールを教えないと結果が出せないのです。つまり論理と確立と統計で表せないものは、結果を出すことは不可能です。もし、英語と国語の文章題を解くことが可能だとしても、今のスーパーコンピュータで計算して地球滅亡の日まで答えが出るのにかかるとのこと。

 では、AIが得意なものは何かというと方程式化できるもの全てとなるので、数学や物理などの理数系は言わずもがな、あとは確率で正答率を上げることができます。

 第二部では、aiに仕事を取られない職業とは何かとなりますが、これは医師や介護士など人とのコミュニケーションが取れる人や栄養管理士など文章を扱うようなところ、または消防士や警察の第一線の監督者とのこと。
 絶対aiに仕事を奪われた後に、代わりにできないというより、専門知識が必要なものばかりです。
 この本でもAIに勝つために、私たちに必要な読解力や常識、あるいは柔軟性や発想力があるのか?という問いに対して、読解力テストを中高生、および大学生に大規模調査した結果が載っています。そして30%の子供達が不正解という結果に終わっています。また、政治界の官僚や新聞記者などの社会人も間違える人が多いとのこと。
 ちなみに、本の中でも出てきた有名な問題を最初のリンクの記事に紹介してあるのでぜひ試してみてください。ちなみに難易度は高いので私も間違えました笑笑
  

 つまり、日本人の「基礎的読解力」は調査の結果かなりヤバイということがわかりました。
 しかし、世界的に見ても日本という国の読解力はトップクラス10位以内にランクインします。
 ということは、世界のほとんどの人が、AIが苦手な部門で、AIより良い結果を出せないのです。これは、世界大恐慌よりもさらに、混乱を生むことでしょう。
 人類は未だかつてない未曾有の危機に足を踏み入れているのです。


 ちなみにこの本の続編では、読解力をいかに上げるかというのが、記載されているようなので、ぜひ読んでみたいと思います。

長々と読んでいただきありがとうございました。

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