煮え切らず、腐りて、いと春遠し。

「片耳が聞こえなくなったから、映画より小説のほうが楽だよ」
雑談中に女性の上司の言葉。私になかった視点で、ハッとした。
『そうか、聾啞の人にとって、文字だけの小説は福音なんだ』
 小説が、文章が人の救いになっているのだ。重苦しい岩石の壁に亀裂がはいり、道(未知)が開けた気分だった。
 さて。
 今日は毎週恒例の草枝刈り、以下略。
 今回は映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』を鑑賞するため、お馴染み、新宿バルト9へ赴く。パンフレット購入は恒例だが、タイトルが早口言葉味がつよいので、レジで言えるか不安である。
 1年3カ月ほど前に購入したCASEY CASEY『ROTTY JACKET(割引ありで(14万円)』を着て、出発である(値段に引かないで)。
 曇り模様のなか電車に揺られ、到着し、チケットをとパンフレットを先に購入。上映開始時間がやや早いため、先に紀伊國屋書店へゆく。
 予定していた、某西村賢太氏の作品を緑のカゴに放り込み、頃合いを見て、いつものように沖縄料理『やんばる』へ向かう。開店直後で一番客だったため、爆速で注文したラフティー丼セットが配膳され、胃袋へ直行させると、ひとつ思いが頭を擡げる。
「まだ、書籍の予算が1,500円ほど残っている」
 喰い終え、紀伊国屋書店に帰還したかと思えば、階段をひたすら登って漫画・DVD他がある8階までやってきた。
 息は若干あがり、汗もかき、これはと思ったヤツ及び収集している作品の新刊の有無を確かめる、探す。
「これ、よさそうやな」
 階段を下り、店をでる。購入した書籍に関しては明日の『週刊 我がヂレンマ』で紹介する。総額7,500円ほど。本気を出せば、3万円は余裕だが無理をしても心を壊すのでやめにしておく。
 そして速やかに新宿バルト9に戻る前に、水を買って治りかけの副鼻腔炎の薬を飲み、戻る。購入した書籍を読みつつ、上映開始10分前を待つ。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
 上映開始。
 そこには、小山門出(CV:幾田りら)と中山凰蘭(CV:あの)の、ゆるくエッジが効いた青春が炸裂していた。
 女子高生の日常と、三年前突如、東京上空に現れた巨大な宇宙船とが、妙に共存する不思議で身近な世界観があった。日常と化した非日常が、徐々に、平穏を侵食したかと思えば、胸をしめつけられるような展開もある。
 それらが後章への伏線と思うと、つづきを観るには覚悟がいりそうだが、確実に観る。
 予想したとおり、最高の作品だったので満足して映画館を後にしました。かなり、おススメです。笑って、切なく、軽やかな重量感がアナタの心を撃ち抜くこと必至です。ズキュン。
 さーて。帰る。
 新宿駅へ猛ダッシュ。最短で総武線に乗り込み、購入した書籍に目を落とす。いつもより早い時間帯の帰宅で心に余裕があり、非常に清々しい。
 前回の新宿は映画2本連続鑑賞で、家に到着したのは夜9時あたり。天と地の差である。やはり、陽が落ちる前の帰宅は安心感が違う。
 贔屓にしているスーパーに入店。
 昨日の酒盛りのアテの残り、鶏の唐揚げに、昨日食べて美味かったそら豆の天ぷら(塩味つき)を加える。
 買い物を済ませ帰りのバスに乗車する。
 そこで、二人のお婆さんを見かける。
 一人は、行き先について運転手さんに尋ねていて、説明を理解できないのか伝え方が下手なのか、なかなか手を煩わせている。結局、別のバスだったらしく出ていった。ほんのりイライラしてしまった(年だから仕方ない)。 
 もう一人は、ツインテールにピンクブラウンという、18歳くらいの原宿系の若い女性がするような頭をしていた。服はライラック(やわらかい紫)とホワイト、パンツはグリーン。何が切っ掛けで好きになったのか分からないが、自分の好きな格好を年齢に縛られず、心おきなく実践している姿に尊敬の念を覚えた。
 脳を鍛える必要と、自由の謳歌を学ぶことができた。
 ところで、今日は傘を持参していた。
 が、天気予報に裏切られ、帰宅し玄関の戸を開けるまで一滴の雨もなし。
 糞が。
 無駄な荷物になってしまった。傘は長いため、荷物のなかではトップレベルで邪魔な存在である。それを一日強いられた私。可哀そう。降られたら降られたで鬱陶しいが、備えが役立った事実が不快を相殺する。
「傘がドローンになったらいいのに」
 そう妄想して筆を置こうと思う。これは勿論、比喩であってタイピングを止めるだけである。
 それは当然のことだが、明日は魔の月曜日。風呂と飯を喰らい、インターネットと読書に耽りながら今日を終える。
 では、また明日、
「これでこれで
 このぶんしょう
 ここここ
 こんどこそおわりでしょん」
 巧くもなんともねぇ。
「ぶやあ!」
 本当に最後に一言。
「タイトルに意味はありません。ただの思い付きです。考察するだけ無駄」

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