MEGAドンキホーテに行ったかも

 総武線の千葉方面行きの電車に乗ると、どんよりとする。何かが逆流しているような、過去に戻っていくような感触がある。
 たいして晴れもせず、曇天というほど暗くもない今日は休日である。
 朝から換気や掃除をして、総武線・千葉方面行きに乗ったのだ。その前に最寄りの駅直結の商業施設で、本屋に寄ってしまった。
 ホント、ドーシヨ―モナーイが、仕方ない。そんな声が耳朶を打った。心の声である(購入書籍については月曜日の、週刊 我がヂレンマで)。
 間もなくして本八幡駅に到着した。
 に、してもなぜ、私がMEGAドンキホーテに行こうとしたのか。
 テレビの特集を、思い出したから。なぜか屈辱的だが、いまだ、テレビの影響力は絶大である。何か特別な、情熱的な商品をもとめてやってきたのだ。その道すがら、特徴的な人を見かける。
 なんというか、ユーチューバーでもやっていないと辻褄が合わない髪色をした若年男性、というかんじ。蛍光グリーン? ともかく容赦なく派手、周辺から浮いていた。すぐに通りすぎたので、他にとくに印象はないが、地元ではお目にかからない人種も、本八幡には存在する。

「まぁ、新宿の縮小劣化版だけどな」
「待てよ。幼き時代からそれなりに通っているし、ОKマートもあるし、Gパンセンターサカイもあるし、駅近にスシローもあるぞ」
「中途半端にヤンチャそうな兄ちゃんがいて、とくに歓楽街でもなく、ただ飯屋が多いだけの不快さを言っているのだ」
「しょうがないだろ、千葉なんだから。八幡の藪知らず、サイゼリヤ発祥の地、それが有名なだけの街さ」
「でも好きなんでしょ?」
「昔の彼女みたいな存在さ。今は新宿にぞっこんさ」

 MEGAドンキホーテ本八幡店は地下1階、地上3階。圧倒するほどではないが、しっかりと聳えていた。
 今日の私は地上には用がない。ろくでなしは酒のアテの為に地下へ潜る。スーパーマーケットへ向かう。
 そこにあったのは、明るい店内、完全にスーパーマーケットであった。
 当然だが、ドンキホーテ・ライクな個性と圧縮陳列かと思いきや、
 普通だったのだ。これに加えて家電からTENGAまでなんでもあるなんて、チートじゃないか。なぜこれが私の地元にはないのか。
 結果からいえば、イカの揚げ物、鶏の唐揚げ、枝豆、ポテトフライを購入した。案の定、茶色と揚げ物ばっかりである。大学生もびっくりの腕白具合である。いいかげん、食の好みぐらい大人の階段を昇りたいものだ。
 それらを黄色のビニール袋にぶちこんで、さっさと帰途につく。電車とバス。昔は自転車で通った距離を、交通インフラを駆使してゆく。これは老化だろうか。いえ、自転車のタイヤのパンク。 
 去年の10月ごろだったか、気づいたらパンクしていて、それ以来自転車には乗っていない。購入から10年以上が過ぎ、直す気にならなかったのである。今年の夏の墓参りまでには新車を購入するつもり。
 それはそうと、帰宅である。
 ちなみに、今日の朝食兼昼食は、
『どん兵衛 鬼かき揚げ天ぷらうどん 特盛 温玉2個』
『どん兵衛 天ぷらそば小えび入り 特盛 牛ひき肉コロッケ』
 であった。前者は美味いが、せっかくの出汁の味に玉子が侵食して、その点において微妙。後者は間違いなき組み合わせ。
 当然のように汁は一滴ぐらいは残し、完飲、満足のいく800円であった(割引あり)。
 さて、実は、今日は他の記事を書くつもりだった。
『勝手に解釈 電車かもしれない』
 である。これはフォークロック・バンド『たま』の2001年に発売されたマキシシングル『汽車には誰も乗っていない』に収録されている一曲。
「僕らは生まれつき体のない子供たち」
 という歌詞に魅入られ、解釈してみようと鼻息荒くしていたが、結局、完全にしっくりくる考えが浮かばなかったので、ボツにした。いつか書いてみたいが、いつになるやら。
 本題の結論をそっと、忍んで、置いておく。

「わざわざ行くほどじゃない。地元の商業施設でいい」


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