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とぅな期〜革命前夜〜

先月、中耳炎で熱を出した息子は、誕生日前に耳は治りました(鼻水がまだ続いています)。
復活してから、かわいい言葉が出始めました。
それがタイトルの

「とぅな?」

です。

語尾の『な』の音が上がっているので『?』を付けてみました。
とぅなって何でしょう? ツナのことではないようです。
まだ1歳児なので声もかわいいし、くりくりのお目々で『とぅな?』と問いかけられると放ってはおけません。

どういう文脈で使われているのかというと、たとえばよく朝食の場面で聞かれました。主菜に出しているミックスベジタブルのグリンピースをひと粒つまんで、

「とぅな?」

と、こちらに顔を向けてくるのです。
私は『これは何なのか』『これを今から◯◯してもいいか』のような意味で捉えました。

「これ? グリンピースだよ〜。食べてね〜」

とうもろこしやにんじんには『とぅな?』をせず、グリンピースだけに『とぅな?』します。
息子は私が言うのを聞いて、グリンピースを口に運びます。
グリンピースが好きなのかもしれません。

◇ ◇ ◇

2歳になった息子は、少し前だと何かにつけてとぅなとぅな言っていましたが、現在はこちらが

「とぅな?」

と促した時に、自分の口癖を思い出したように

「とぅな?」

とグリンピースを掲げてきます。

自主とぅな期は1ヶ月も経たずして去ってしまいました
とぅな、私はすごく気に入って、動画にその様子を撮るぐらいのかわいい響きだったので、自主とぅなが消滅してしまって惜しい気持ちです。

しかし、その代わりといいますが、以前記事で紹介した『ちゅいた(主に点いた、くっ付いた、電源がつくなどの意)』がレベルアップしました。

「ちゅいてない……」

おもちゃの電源がOFFの時、よく悲しそうなか細い声を出してパパママを呼びます。乗り物の、座っているところのフタが開かない時も『ちゅいてない』と表現して訴えていました。
これは息子にとって大きな出来事だと私は捉えました。

◇ ◇ ◇

話は脱線しますが、虹の色って何色でしょうか。日本では7色だと言われていますね。

noteをやられている人の中にはきっともうご存知の方もいるのではないでしょうか、世界を見ると、6色だという国や4色として認識している国があります。

こちらのサイト、広告ばかりですが『なるほど〜』と感じる事柄がほかのところより多かったので載せておきます。

たいていのサイトでは文化の違いや、色に名前が付いていないということで、色の数に違いがあるのだと説明されていました。

私は過去に、『物があるのが先か、言葉があるのが先か』ということを考え、本を読んだことがあります。フツーに考えると、『えっ、物があって名前が付くんだから、物が先じゃない?』って、思うじゃないですか。

しかし、私が納得したのは上の虹の例のように、ある文化圏では『ある』物でも、別の文化圏では『ない』、つまり、その別の文化圏にとってはその物は、世界に『存在しない』のと同じなんだということです。
人って実は、言葉によって世界を把握しているんです

『木漏れ日』という言葉の例も、聞いたことのある人がいると思います。

木々の葉と葉の間から降り注ぐ陽光のことをいいますが、英語圏ではそれに該当する名前がありません。『そういうところに名前があるのか!』という驚きを抱くそうです。

逆に、日本では名前が付けられていない物事も世界にはあります。上のサイトにいくつか挙げられていたのでぜひ見てみてください。
確かにそういう光景や人を見たことがあるけれど、気に留めていなかったことばかりで『そんなことに名前が付いているのか!』と、目から鱗でした。

◇ ◇ ◇

話を戻しますと、以前の息子の『ちゅいた』は、ON・OFFどちらに対しても使われていました。電気が点いていても消えていても『ちゅいた』でした。
『ちゅいてない』という言葉が加わったということは、『(何かの状態)ではない』という世界の見方がプラスされたんだと、私は思いました。息子の中でとてつもない大きな変化が起こっているのです。

今は『ちゅいた』『ちゅいてない』で身の回りのあらゆる事柄を表現していますが、物にそれぞれ名前があるように、やがて違う動詞を使っていくようになるのでしょう。そうしたらいよいよ息子の世界の見方が細分化されてきたという表れです。

現在、息子は乗り物に興味津々で、車の名前を覚えて指を差してがんばって伝えてきます。ブーブーのほかにトラック、タクシー、救急車、バス、発音的に難しいゴミ収集車やパトロールカー。どれも人が乗っていて動く鉄の塊ですが、形や色が違えば名前が違うということを絶賛学習中です。

一瞬のとぅな期を経て、息子が爆発的に成長していることを実感している今日この頃です。

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