玉ノ井を歩いてみる
スカイツリーのお膝元、押上駅から電車で2駅行くと東向島駅に到着する(東武伊勢崎線)
駅前に広々としたロータリーは無く住宅密集地。
下校途中の小学生が「痴女だ!痴女だ!」と叫ぶところを耳にして僕の玉ノ井探訪が始まった。
墨田区を訪れる人のおおよそは東京スカイツリーがお目当てだろう。
景色・スリル・思い出何を取っても東京観光に欠かせない目玉!
しかし僕が今いるところはスカイツリーを通り過ぎた東向島駅。こんなところ一体何があるのか……
実はここ、遡る事100年前の大正時代後期から戦後の赤線廃止まで私娼窟が立ち並んだエリアでスカイツリーが出来る前の墨田区(南葛飾郡寺島町)の名所!
今回ここに求めに来たモノはなんと言っても
カフェー建築。
カフェー建築の特徴は2階部分でベランダは無く柵が直接窓に付いているタイプ。
この建物が建設された時期はわかりませんがおそらく戦後すぐのものだと……
玉ノ井にはこんな感じのカフェのような洒落た建物がいくつか残っていて昭和初期〜戦後すぐの微かな街の記憶を辿れるのが嬉しい。
寒色タイルは個人的に好みで見つけると小躍り開始。
あー、この張り紙全て剥がしてタイルを眺めていたいところだけど、2階部分も柵がこれまた凝ったデザインで、どこか哀愁すら漂ってる。
玉ノ井の特徴と言えば他には道。
グネグネした道や極端に狭い道幅。
戦後のカフェー建築が出来るよりもっと前から道幅だけは変わってないそうだ。
玉ノ井に通った永井荷風が言った「ラビラント」の意味はこの地を歩いて初めて理解出来た。
とにかくマップ無しだと迷う。でも玉ノ井を歩くならマップなんて邪道。
景色は違えど大正・昭和の人も同じように迷って迷って抜け道を探していたからには軟弱な僕も歩いて迷ってを繰り返して強くなろう!
たまに見えるカフェー建築と狭すぎる道が近いようで遠い昔へ誘ってくれた玉ノ井だった。
#1玉ノ井
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