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湯たんぽは美味しい【エッセイ】

12月に入り急に冷え込んで来た。

ここ数年、薬缶が置けるタイプの石油ストーブを、冬から春先まで使用しているのだが、この燃料高騰を受けやっと、湯たんぽをひとつ、買った。

幼少期に実家で使っていた以来。
夜、ストーブに乗せた薬缶の中で、カン…カン…と音を立て沸騰したお湯を、いざ湯たんぽへ。

湯たんぽのお湯が冷めるとき、冷えた空気で湯たんぽが縮まないようぎりぎりまでお湯を入れ、
ふわふわシャギーの布で作った簡易ケースに入れ、
娘の布団に差し入れた。

翌朝。
まだ充分に温かい。
暑がりの彼女は暑いくらいだったと言った。
娘の部屋からリビングのこたつへ湯たんぽを抱えウキウキと移動させ、愛猫にアピールした。
温かいのあるよ、と。
猫の目はしーんとしていた。

家人は学校に職場に、銘々出掛けていく。


昼。
いそいそとこたつをめくってみれば、湯たんぽにうっとりと寄りかかる愛猫がいた。


湯たんぽは二度美味しい。



もう少し寒くなると、車のフロントガラスの氷を溶かすのに使うことになる。
でもその頃には多分、家族分の湯たんぽがあるはずだ。
安心してぬくぬくしてほしい。


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