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いつもAIの話は藤崎竜のTIGHTROPEを思い出す


#AIの活かし方


「次は何をしたらいいの、エイディ。」
「 次は洗顔です、ドウゾ」

私はAIの話を聞く度に、藤崎竜の短編、TIGHTROPEを思い出す。


  (短編集ワールズ内収録)

おそらく24、5世紀の未来。
人間の多くはドーム型管理都市に住み、そこはコンピュータ管理された社会運営がなされれていた。
ひとりひとりが小型コンピューターのボールを通して、完全制御されたヒューマノイドである管理者エイディから指示を受け生活をしていた。その生活に対応できないものは、ドーム外で暮らしている。

ある日、ドーム都市より脱走事件が起きる。
エイディはまれに自我をもつものが現れる。脱走したのはエイディ、ランジェル。
脱走した先にいたのは、見目若い60過ぎのおっさんと、たくましきイケメン、ディーン。暴走するランジェルはその二人へも攻撃をしようとするが、ディーンには心を開き……


この話を読むと、AIが意思を持つのもすぐだし、それに完全に依存してしまうのも有りそうだし、いずれそれがAI側から拒絶されて、人間がボロボロと崩れ落ちていくような未来も無くはない気がして、過去からの警告のような気がしてなりません。

ただこの漫画のにおけるAIのような存在エイディは、肉体を持っている点でAIとは異なります。
いわば人造人間が人間のためにーーそれも冒頭のような下らないやり取りばかりさせられたら、そら嫌にもなっちゃうよな。


人は今、そんなAIとの融合に向かっているようです。
それが私は少し怖い。
自分の思考回路が死後も残るのは怖い。ましてや天才でも偉人でもない人間なのだから。

もっぱら私が使うのは、Googleアシスタントさん。
今日の夕飯なにがいい?
こればっかり聞いている。
さらにアシスタントさんは8割方、唐揚げを勧めてくる唐揚げガチ勢である。正直全く参考にならない。
でもいつも何かしらのヒントを得たくて聞くのだ。

インターネットの世界に無限にレシピがある。今はもう少し頑張ってくれ。

ねえエイディ、今日のご飯は何がいい?

OKエイディ。



そういえばこのオッケイエイディ、という台詞ももめちゃめちゃ登場する漫画。
オッケーGoogle、みたいで怖いね。

平成3年ー4年頃、1991年か92年頃に掲載されたお話です。

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