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35歳のNZ留学【TV番組】

こっちで見ているテレビ番組といえば、天気予報か、ネイチャー系かスポーツ番組である。夕食を食べる頃にちょうど天気予報とニュースがあるので見るようにしている。天気予報というのは結構英語の勉強になる。スポーツ番組は殆どがラグビー中継のような気がする。NZはラグビーが盛んな国だからなのか或いはファザーが好んで見ているだけかもしれない。ネイチャー系はマザーが好きで、私も時々一緒に見たりする。気候変動とか生き物の生態系、海の動物レスキューとか、海ごみ問題といった幅広い内容である。動物たちの生きる姿にはとても癒される反面、ビニールゴミに絡まったウミガメの痛々しい姿と救出までの一連を見た時には「Oh my…」と悲しみ、その後傷を治して海に還ってゆくウミガメを見て安堵した。また別の回では高山のだだっ広い牧場の一角で、精肉されるであろう牛たちの内臓を抜かれた死骸が並ぶショッキングな映像を見て一緒に悲鳴をあげ、「なんてこと…」と涙し、心を痛めている。マザーはその後の夕食に肉を食べていたりもするが。それはさておき、このようなトピックまたは映像を日本のテレビ番組でそれもゴールデンタイムに見ることは無いに等しい。もしかするとこれは日本でいうNHK的なポジションなのだろうか。
そういえば、同じ時間帯にコメディショーやクイズ番組をみている時もある(おそらくこれはマザーとファザーが共通して好きなテレビジャンルである)。その中でもイギリスのオーディション番組、ブリテンズ・ゴッド・タレント(略称BGT)にまつわるエピソードがある。ある夜、学校から帰宅しリビングに顔を出すと二人はBGTを見ていた。私は英語が分からないながらも画面に視線を向ける。とそこに、見覚えのある顔が映っているではないか。その男はパンツ一丁の裸姿でステージに立っている。あらゆるポーズを繰り広げては
「Don’t Worry.I’m wearing pants.」
とパンツを指差している。そう、”とにかく明るい…”あの人である。テレビの中の審査員とオーディエンスは大ウケの様子であった。ファザーとマザーは真顔でそれを見ていたが、私は知っている日本のコメディアンの登場に興奮してしまい、その勢いで「この人日本のコメディアンでいつもこれをしてるの!」と、二、三ポーズをして見せた。ファザーは顔をしかめ黙って首を振ったがマザーにはウケた。手を叩いて笑い「crazy!」と言った。その後、なんだか自分らしくないことをしたと急に恥ずかしくなったものの、マザーが笑ってくれたからいいかと開き直り今日のできごとをあれこれ話しながら夕食を食べたのだった。


ー筆者のひとり言ー

とにかく明るいあの人がニュージーランドのテレビに放映されている勇姿を、このスマホに確かに収めたはずなのに、写真のフォルダから今すぐに見つけだせないこと、ここに載せられないことは少し悔やまれます。

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