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35歳のNZ留学【ハプニングのその後】

「スマホ失くす騒動」から「ステイ先違うの聞いてない」まで
なんだかドタバタな留学初日です。

さて、予定していたホームステイではないことが判明し困ったことがいくつか。

1、食料がない(飲料もまた)
2、学校までの行き方わかんない
3、聞けるひといない

困った。
とりあえず部屋に荷物を置き廊下に出てみる。
と、あの大学生が困惑した様子で出てきた。部屋の鍵が壊れていて施錠できないという。これまたなんとも海外らしい…日本ではそういうことまずないものね。そこにもう一人、若い日本人の男の子が部屋から出てきた。アヤトという名前の彼は18歳で、留学してもうすぐ1年経つと言う。彼もまた困りごとあり。他のレジデンスにいたのに急に移され、すぐにでも元居た所に戻りたいから今夜スタッフと話すのだそう。いろいろあるのね。
そうだった私、のんきにしてる場合じゃない。

アヤト、1年近くNZいるってことはもしかして?
私の困りごとを話すと彼は
「いいっすよ、自分も必要なもの買いたいんで」と言った。
ありがとうアヤト!
迷いなく18歳を頼る35歳である。

モールに行けばとりあえずなんでも揃うというので、アヤトと大学生と私と3人でモールまで歩いて行くことに。道中は、私も大学生もここぞとばかりにアヤトを質問攻めにした。学校生活のこと、SIMカードのこと、お金のことなど、アヤトは特に嫌な顔もせず淡々とそれらの質問に答えていった。
おかげで、学校に行くにはバスに乗る必要があり、バスに乗るには、AT カード(Auckland Transportの略)の準備が必要で、購入できる場所は限られている、ということが分かった。これまたアヤトの案内で駅に立ち寄りカードを購入。
チャージの方法までも教えてくれた。

#NZ #Auckland

駅から更に15分歩きようやくモールに到着した。
スーパーで買い物を済ませ、ケータイショップでは、アヤトが店員とやり取りを済ませた(もちろん英語)おかげで大学生は海外SIMを手に入れた。
アヤトに感謝。さあ帰りましょ。

行く時は質問ばかりしていて気がつかなかったけれど、道中は坂のアップダウンが激しい。レジデンスからもそれなりに距離がある。
息を切らし40分くらい歩く。
私はスーパーで2Lの水を買ったことを後悔した。
途中アヤトが「水持ちますか」と言ってくれた。
クールな風貌と話し方とは裏腹に、優しい。
それをそのまま伝えたら、「あー、よく言われます」とやっぱりクールに答える彼なのだった。そこから話題はアヤト自身の留学の話に。少し前に留学生活を共にした友達たちがごっそり帰ってしまったのだという。変わらず淡々と話す彼だったが、心の負担は大きかったろうな、友達と一緒の時は笑ったろうな、などと私はひそかに心の中で思った。余計なお世話だよな。

レジデンスに着くと各々秒で解散。

その日の夜はぐったり疲れて食事も取らずに眠りに落ちた。

ちなみにこの日以降アヤトに会うことはなかった。
後でわかったことは、英語のレベルによってクラス分けされていて、授業の時間もハイレベルとローレベルでは全く逆のスケージュールが組まれているから、学校でも会うことはないのだった。

私の初日の困りごと全て18歳のアヤトが解決してくれた。
「あの時は本当にありがとう」
感謝を伝えたいのだけれどそれはどうやら叶わないのでここに書いておきたい。


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