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【コラム】辛いこと、幸せなこと

読んで字の如く、「辛い(つらい)」と「幸せ」は似通った漢字です。意味としては正反対とも取れる文字なのに、とても似ています。

少し理解を深めようと思い、それぞれの文字の成り立ちについて調べてみました。

「辛」
古くからある、人が刺青を施す時に使用する針の形が、この文字の源らしいです。ナルホドと思えます。

「幸」
古く、比較的軽い罪を犯した罪人が、刑罰として付けられる「手かせ」の形から生まれた字なのだそうそう。
なんで?と思えます。

解説としましては、昔の刑罰というもはのは、それはそれは残忍なものが多く、いとも簡単に「○○ちょんぱ」してしまったり、煮たり焼いたりのレベル。

なもんですから、「手かせで済んで良かった~、ラッキー」ということだそうです。

そう聞くと、「幸」とはまことに微妙な文字ではあります。
「辛」の元となった刺青も、かつては刑罰のひとつであった訳で、この関係性もなかなか興味深いものがあります。

それはそれとしまして、私がハタと気付いたのは次のようなこと。

先日、13年前に離別した親友、愛娘と再会することが叶い、幸せの真っ只中にいた私ですが、それは同時に「辛さ」を分かち合う時間でもありました。

心ならぬ離別の辛さ、出会うまでの道程にあった辛さ悲しさ、今それぞれが抱える辛さ苦しさ、それらを分かち合うことが「生存確認」の意義だったりもします。

「幸」からひとつ欠けると「辛」、またひとつ取り戻すと「幸」、だから隣り合わせだよ、というのがかつて聴いた説法における比喩。
でも、どうやらちょっと違ったようです。

「幸」は文字として八画、「辛」は七画。
つまり、幸せの8分の7は辛さで構成されているということです。

人生諸々の辛いことは、私の幸せを形づくる不可分な構成要素である。そう考えるとまた一つ、何だか心が楽になりました。

ゆうべはカミさんにこっぴどく叱られまして、とても辛かった・・・でも大丈夫。幸せの8分の7。

今日の仕事も辛い・・・でも大丈夫。幸せの8分の7。

「何だか比率としてデカくね?」
大丈夫、そんなもんです。

こうなったら、例のアレにご登場願います。そう、言霊。

「苦しい」「悲しい」という言葉を捨てて、それらを全て「辛い」に言い換えてみます。

するとあら不思議。全ては幸せの8分の7構成要素になります。


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