スタバはいつも混んでいる。本当に、いつ見ても。

私が通りかかるときが、たまたま混む時間帯ばかりなのかもしれないが。
空いているところをほとんど見たことがない。

「みんな、スタバが好きなんだなあ」と他人事のように遠くから眺めている。

私が店内に足を踏み入れることはない。

他のコーヒーチェーンは一人でも平気で入れるのに、スタバだけはどうしてもダメだ。足がすくむ。人の多さに圧倒されるのと、独特の雰囲気が苦手で。


そう、私はスタバが苦手なのである。

ここからしばらくは、スタバを愛する方は気を悪くされるかもしれないので、ご注意を。
薄目で読むか、読み飛ばしてもらえれば。
（noteユーザーはスタバ愛好家が多そうなので…）

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

苦手な理由を挙げてみる。

①客層
意識が高い人やおしゃれな人が多いイメージがあり、いずれにも該当しない自分にはアウェー感が強い。
実際にはいろんな客がいると知っているのだが、どうしてもイメージが先行してしまう。

また、散々言い古されているが、スタバで仕事や勉強をしている自分に酔っている層が一定数見受けられる点も、苦手なポイントだ。
もっと落ち着いたところのほうが作業効率が上がるんじゃない？と、お節介の一つでも言いたくなる。
苦手な客層であるうえに、人の数が多くて、とてもじゃないが落ち着かない。

②甘い飲み物
私は甘い飲み物が苦手なので、何とかフラペチーノみたいなやつの広告を見かけると、「うわ、甘そう…」と胸焼けがする。しかも、量が多い。

「若い子たちはこんなものを飲めるのか、すごいな」と素直に感心する。
いや、若くない人も飲むだろうけど。
若くないのに飲める人はもっとすごい。

昔、友人らとスタバに行ったとき、彼女らに合わせて、ホイップクリームがたっぷりと載った飲み物を注文してしまったことがある。
私は、そのあまりの量に驚いた。
20歳そこそこだった当時でさえ、飲み切るのがしんどかったので、30代の今、あれを飲み切ることは絶対に不可能だ。

③注文の仕方が複雑そう
いろいろカスタマイズできると聞くが、何ができるのかよくわからないし、店員さんとの会話を最小限に抑えたい、コミュニケーションを苦手とする私のような人間にはハードルが高すぎる。
スムーズに注文できる気がしない。しどろもどろになって恥をかくのが目に見えている。

今はモバイルオーダーで会話を回避することも可能らしいが、そこまでしないといけないのが面倒くさい。
別にカスタマイズしないといけないわけではないが、カスタマイズすると上級者、みたいな風潮も鼻につく（完全に偏見）。

④価格が高い
私は飲み物にほとんどこだわりがなく、コーヒー好きというわけでもないので、飲み物に高いお金を払おうという気持ちが起きない。同じお金を払うなら、おいしいものを食べたいなと考える。

⑤従業員のことをパートナーと呼ぶ
これは最近知ったのだが、「あ、そういうところも苦手やわ…」と反射的に思った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以前勤めていた職場はスタバ好きが多く、肩身が狭かった。

「新作チェックしました？」
「今日、仕事が終わったら買いに行くよ」

といったような会話が飛び交い、まったく入る隙がなかった。

友人にもスタバ好きはけっこういるが、私がスタバ恐怖症だとは誰も知らない。
別に伝える必要もないので言わない。
「好きだ」という相手に対して、「私は苦手」と水を差すのは、気持ちのいいことではないと思うから。

これだけ多くの人を虜にするのは、それだけ魅力があるということだ。
そして、人の間に分断までもたらすのは、それだけ影響力が大きいということ。
スルーしようとしても、視界に入ってくるので無視できない。
いやでも向き合わざるを得ない。それがスタバである。

なぜスタバについてこんなにとやかく言うかというと、知人からもらったスタバのギフトカードを活用できずにいるからである。

宝の持ち腐れ状態だ。
気の利いたプレゼントだと感心した反面、
「自分はスタバに行かない人間だからな…」と申し訳ない気持ちになった。

かといって、せっかくいただいたものを他人に譲るのも気が引ける。
そんなこんなで、もらってから2年が経過してしまった。

友人と一緒に店に行ったときに一度だけ使ったが、まだ残金がある。
もったいないので使いたいのだが、一人ではどうしても入店できない。
ちなみに夫もスタバが苦手なので（似た者同士）、二人で行くこともできない。

そこまで怯えるほどのことではないと重々わかっている。
スタバに対して過剰な意識を持ちすぎだと自分でも思う。
一歩踏み出せば、なんてことないにちがいない。
しかし、その一歩がなかなか踏み出せないのだ。

せっかくなのでおいしいものを飲みたいし、これを機にスタバへの苦手意識を克服したいとも思っているのだが…。
いつになることやら。
コメダ珈琲店と星乃珈琲店を愛する民の悩みは続く。