ねこってこんなに可愛いの? 第12弾
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
過日、スギ花粉野郎のせいでくしゃみを連発しながらも、僕は散歩をしておりました。だって、僕は腹囲88センチのメタボ腹。狭い家の室内にルームマシーンを置くスペースも銭もない。
だからと言って、部屋で毎日パソコンのキーボードをパチパチ叩いていても、痩せる訳がないのであります。
ってな訳で、僕はスギ花粉野郎に抗いながら、散歩をしておりました。
30分くらい歩いたでしょうか。
後方から猫の鳴き声が聞こえました。
「やっぱ僕には猫のニンが備わっているようだ。こんにちは」
僕の挨拶に、野良猫はスルーした。
「それはそうだよな。君と僕とは初対面。だけど僕が猫好きだってことは、君も肌で感じているだろ?」
僕の問いかけに、またも野良猫がスルーした。
僕は着用していたマスクを、あご下までさげた。
すると、凛々しかった野良猫の表情が一変した。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だョ。良かったら僕の家に寄って行かないか? ツナとささみのハーモニーをご馳走するよ」
すると野良猫が、「にゃッ」と鳴いた。可愛い声をしている。
どうやらツナとささみのハーモニーは、野良猫界隈では有名になりつつあるようだ。それだけ美味しいと言う裏返しだろう。
そして野良猫がゆっくりと僕に近づいてきた。
「ありがとう。その前にちゃんと挨拶をしよう」
そこで僕は右手の人差し指を、野良猫の鼻に近づけた。
すると、野良猫の態度が一変した。
「そうか、君はかなりの人見知りなんだね。でも大丈夫。僕の庭には沢山の猫たちが常駐しているから安心だよ。本当だよ」
僕の呼びかけに、野良猫が「ニヤッハ」と鳴いた。
なかなか聞けない鳴き声だ。
そのあと、野良猫は何かを思い出したかのように、僕から興味を失った。
「そうか。君はこれから乾坤一擲の勝負、つまり今夜の兵糧を自らで探しに行くんだね。分かった。ここでお別れだ。僕は部屋でルービーを飲みながら吉報を待つことにするよ」
野良猫が再び「ニヤッハ」と鳴いた。
そしてお尻を左右に揺らしながら、ゆっとくりと茂みに消えて行った。
「ハックしょん!」
しまった…野良猫との会話を楽しむ為に、あご下までさげたマスクの事を失念していた。
つまり僕は、ずっとスギ花粉を体内に吸収し続けていたのである。
僕はくしゃみを連発しながら、洟を垂らしながら何とか自宅に到着。
べちょべちょになったマスクをゴミ箱に捨てると、お風呂に入った。
19時、アテの烏賊刺しを食べながらルービーを楽しんでいると、外から野良猫の鳴き声が聞こえてきた。
「フッ…やはり来たか。どうやら僕についている猫のニンは本物だったようだ。うれぴー」
僕が玄関のドアを開けると、そこには数え切れない程の野良猫たちが大挙していた。
昼間に出会った、あの野良猫すら確認できない状態。
僕はこのあと、野良猫たちが満足するまで、ツナとささみのハーモニーを食べさせ続けた。
【了】
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