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ねこってこんなに可愛いの? 第15弾

みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

大好評につき、第15弾を迎える事ができました。これも全て無邪気な野良猫たちのお陰でございます。そして、その無邪気な野良猫たちを温かく受け入れて下さった、クリエイターのみなさんの熱意に尽きます。

野良猫たちに代わりまして、御礼申し上げます。

「にゃっ…🐈」


失礼致しました。


ってな訳で、僕は近所のコンビニエンスストアまで歩いて行くことにしました。そうです、先日の記事で書かせて頂きましたが、とうとう、スギ花粉野郎が霧消したのであります。
僕はあまりの嬉しさに狂喜乱舞し、30年ぶりくらいに「昇竜拳」を発動してしまいました。

ちょっと腰を痛めましたけどネ!

晴天で穏やかな陽気に、僕の歩幅もゆっくりです。メタボ腹対策とか言って、まるで競歩のような勢いで早歩きしては、この素敵な陽気に失礼千万です。

僕は満開となった桜の木を見ながら、角を曲がりました。


「にゃにゃ」


突然、野良猫の鳴き声が聞こえました。

僕は周囲を確認するも、猫はおりません。

「あれっ…だけど僕には猫のニンがついている。近くにいるはずだ!」

僕はその場で目を閉じると、全神経を集中させます。

「にゃっ。にゃ…」

「あそこだ!」

僕は脱兎のごとく猫の鳴き声が聞こえた所まで走りました。

そこは簡易的に作られた小屋のような建物。どうやらこの小屋は段ボール置き場のようです。

さらに敷地の奥には平屋の建物が居を構え、縦長の看板に「有限会社 蛸猿土木」と書かれている。

まあ段ボール小屋が道路沿いに建っているので、ギリ不法侵入にならないと推定。


僕はその段ボール小屋の隙間から、中を覗きました。


「嗚呼…ここにいたのか!」




親子だろうか。とても可愛いぢゃん! 特に子猫のブルーの瞳がたまらない…。



「やっぱり僕には猫のニンがついている。うれぴー」

そんなことはどうでも良い。

果たしてこの親子は、ここに住んでいるのか。そして会社の方々は承知しているのだろうか。


「にゃッ」


白い子猫が、僕のくるぶしに後頭部をこすりつけてきた。

「君はなんて可愛げな表情と仕草をしているんだ。可愛すぎる…」

僕は何度も子猫をモフりました。その間、親猫はずっと眠気と戦っておりました。

おそらく親猫・子猫との距離感から察するに、この「有限会社 蛸猿土木」さんが面倒を見ていてくれているはずだ。

だけど、一応確認しておいた方が良いかも知れない。

されど、僕は大の引っ込み思案でヘタレ野郎。とても会社のドアをノックする勇気はない。そんな勇気があれば、僕は今頃世界中の老若男女と友達になっていたはずだ。

そして昼間からパーティー。シャンパンを飲みながら、頭にはグラサンを乗っけちゃって、きっとパラパラを踊っていることでしょう………。

いかんいかん。

いつもの妄想癖が発動してしまった。

僕は立ち上がりました。

「それぢゃあ、僕はお暇するよ。何かあったら、あの有限会社 蛸猿土木さんを頼ればいい。元気に生きるんだョ」


僕はコンビニエンスストアを目指して歩き始めました。


「にゃッ。にゃッ。うぅーん………」


僕はこの鳴き声を聞いて、振り返りました。




立ち上がって僕を追いかけようとする子猫。後ろ髪を引かれるとはまさにこのこと!



「分かった。ちょっと待っていてくれ!」

僕は子猫の勇気ある行動に感銘を受けた。

そして僕は意を決し、「有限会社 蛸猿土木」さんの事務所に行こうと、段ボール小屋を迂回した。

「うわわっ」


僕は頓狂な声を発してしまいました。


迂回した僕の目の前に、段ボールを持った女性が立っていたのです。

「すみません。先ほど、猫の声が聞こえたので、つい見てしまいました」

すると女性が破顔した。

「別に構いませんよ。この親子は会社のアイドルですから」

女性は段ボールを小屋内に置くと、慣れた手つきで親子をモフり始めました。女性の黒色の制服から察するに、事務員さんと推定。

「では、この親子の面倒は見られているのですね?」

「モチロンです。土日は社長自ら面倒を見に来ますから」


僕は久方ぶりに心の底、腹の底が熱くなった。

なんて素晴らしい会社なんだ。社をあげてこの親子の面倒を見ているとは、恐れ入りました。上場していれば、全額「有限会社 蛸猿土木」さんの株を購入したであろうに。

一通りモフると、女性が立ち上がりました。

僕は勇気を出して、言いました。
「あの…この猫の写真をSNSで投稿してもよろしいでしょうか?」

すると女性が、眉間に皺を寄せた。
そしてすぐに破顔した。

「いいですよ。社長もXで投稿してますから」

「ありがとうございます」

僕は女性が事務所に入るのを見届けると、親子に向き直った。


「良かった。全ての問題が解決したよ。君たち親子の可愛い写真は、きっと世界中に存在する、ねこファンたちを虜にすると思うよ。また来るからサ」


僕は子猫をモフると、立ち上がった。


僕の心は穏やかになり、桜の花びらを手に乗せながら、コンビニエンスストアに向かった。




【了】

過去の作品は以下よりお読み頂けます。



とらねこさんとのコラボ企画『kindleマガジン』発動中!



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