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キャラと飲み会

久しぶりに大人数の飲み会に参加した。

話したことがない人が多い飲み会だったので緊張レベルが高かったからなのか、それとも一定期間人と話してなかったのでコミュニケーション能力が著しく低下したのか分からないが、自分らしく振舞うことができなかった。 

でもこれは一定期間話してないから、というそれらしい理由では片づけられないことを私は知っている。 やっぱ、大人数の飲み会が苦手なのである。

その理由の1つとして挙げられるのは、人数が多ければ多いほど、「セルフブランディングトーク」をする人が増える気がするからである。 人数が増えれば増えるほど、そこに気を許していない人間がいる可能性が増える。すると人は自分自身のキャラに沿った話をしたり役割を全うすることで周りの人の期待に応え、「何言ってんの」と思われるリスクを回避してると思うのだ。 その動機に加えて、飲み会の中で自分自身が存在する、更には目立つためには分かりやすいキャラをしっかりつける必要が出てくる。 「あいつこんなことしててさ、やばいよね」と、自分は常識をわきまえている真面目キャラですってふりをして常識から外れた行為をしている人をいじる人や、はたまたその逆に、破天荒キャラに合う「昨日何時まで飲んじゃって気づいたら眼鏡とかばん無くてさー」的なエピソードをずっと繰り広げている人がいる。このような場面に遭遇すると「自分がほんとに話したいこと」より「自分がこのキャラにおいて言うべきこと」を選んで話しているんじゃないか?と、セルフブランディングトークに懐疑的な目を持ってしまうのだ。

それなら大人数の飲み会に参加しなければいい、と言ってしまうのは簡単だが、すごく話が合う人がいるかもしれないし、可能性を遮断してしまうのはもったいない。何より社会人になったらそんなこと言ってられない場面もあるだろう。だから飲み会を楽しむためにどういう心がけで臨めばいいかを考えてみた。

①めっちゃ飲む

その場にいることは楽しいし、呼ばれたらうれしいし、飲み会には参加したいと思う。めっちゃ飲めばなんでもかんでも楽しくなるので、粗治療ではあるが楽しく過ごすという目的は果たせそうな気がする。 ・

②「意外性」に注目し、切実な声に耳を傾ける

予定調和な会話の中に埋もれがちな「意外性」がやはり面白かったりする。お笑い芸人の深夜ラジオでもよく見られる瞬間で、「常識人」と「破天荒キャラ」の間で展開されるトークの中にも、「常識人」であるはずの人が超社会不適合なことを発言したり、「破天荒キャラ」の人が超家族想いなエピソードを語ったり、そういう意外性を見つけてそこを広げるのがやっぱり自分の性分に合っているという結論に至った。「俺って○○なんだよね~」ってゆったり構えている人もたまに切実な本音をポロっとこぼす時がある。そういう切実な耳を傾け会話を楽しむことができたらいいなと思ったのだ。 「キャラ」自体を否定したいんじゃない。確かに人と仲良くなるために、相手に分かりやすく自分を伝えるためには「私ってこういうキャラなんです!」って振舞うのは適していると思うし、印象にも残りやすい。 だけど、飲み会とはそれぞれが役を担って演じる舞台なのか。そうではない。楽しく過ごして、心を通わせることが本来の目的だと少なくとも私は思っている。

なので私自身も空気を読みつつもその場その場で思ったことを切実に話すようにしている。キャラとか生きてたら変わるし、何かを体験した前と後では考え方が変わっていたりする。既存の確立されたキャラに縛られずに、変化したなら変化した状態で臨もうと思う。

少しでも、このくらいめんどくさく飲み会について考えている方に、同志がいるんだと思ってもらえれば幸いである。


※2019年9月1日執筆

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