ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、CIA出身の旧友フェリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、平穏な日常は終わりを告げる。誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を追うことになるが……。ダニエル・クレイグが5度目のボンドを演じ、前作「007 スペクター」から引き続きレア・セドゥー、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、ロリー・キニア、レイフ・ファインズらが共演。新たに「ナイブズ・アウト　名探偵と刃の館の秘密」のアナ・デ・アルマス、「キャプテン・マーベル」のラシャーナ・リンチらが出演し、「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディ・マーキュリー役でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役として登場する。監督は、「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ。

歴代ボンド、歴代というくらいなので何人も演じてきたジェームズ・ボンド。

年代によってこの人!という感じでイメージが決まってしまうと思いますが、私はピアース・ブロスナンからダニエル・クレイグへの過渡期の年代なのでこんなにも一人のキャラクターを受け継ぐことが世界的なプレッシャーというか、とんでもない事件くらいの出来事なのかと思ったりしてました。

でもそもそも私はそんなに007シリーズはショーン・コネリー以外はろくに観てなかったんですよね。　多分テレビで流し見てた感じです。

ただそれぞれの主題歌はだいたい聞いたことあるのでやっぱり相当にいろんなとこで触れていたのだろうとは思います。

で、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドは「スカイフォール」が初めてでした。

凄く面白かったし、違和感もないし、内容も私はとても好きでした。

その後「カジノ・ロワイヤル」から見直し、合間に昔の007をはさみつつ、「スペクター」を劇場で見て、これで終わりなんだろうな…と感じていたんですが　まさかこの「ノータイム〜」とは。

これからネタバレあります!

最後らしいドラマチックさはあったし、（ジェームズとマドレーヌは特に）面白かったのは面白かったんですが、、、あのラストならサフィンとマドレーヌの関係ももう少し知りたかったし、スペクターもサフィンも引っ張ったわりにはあっけなさすぎる最後だったなーと。（ジェームズを苦しめる事が目的でそれぞれの力での戦いではないからかなと）

ジェームズ・ボンドのあのラストがメインだろうから、そこはあっさりさせていたのかもしれないけど、もっとそれぞれのドラマが知りたかったし、ずっしりくる関係を期待してしまいました…。どうしてそんなにマドレーヌに執着するのか、あの湖で何が二人に起きたのか。サフィンのあの再会の言葉が意味深すぎて。

私の中では「スカイフォール」がベストだったので　あのMとボンドとシルヴァのような関係性のドラマのように背景を感じたかったのですよね…。　なので、フェリックスの最後には苦しくなりました。

アクションもたくさんでしたが、いっそもっと少なくしても良かったんじゃないかなとも思ってしまいました。

凄く盛りだくさんだったんですよね!　

あと、「スカイフォール」「スペクター」の主題歌がツボすぎていたので　どうしても今回の主題歌がスッと入ってきにくかったです。　

曲自体は凄く素敵で好きです!

作品自体ともとても合っていたし、内容の切なさと彼女の声と凄く合っていたと思うんです。

でもあのオープニングではどうしても歌い上げる系で聞きたくなってしまうのです、私は。

でも曲は好き。

と、いろいろとありましたが、結局は面白かったです!　新しい00とパロマも素敵でしたし、パロマもっと見たかった。（あの服で何も乱れない凄腕さ）

何よりラストの数十分はずっと泣いていました。

観終わった今は、ジェームズ・ボンドにというより、おそらくダニエル・クレイグに凄く寄り添った感情のように思います。

歴代のジェームズ・ボンドも素晴らしいですが、ガラリと印象を変えたダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド。

アクションも、ファッションも、音楽も、取り巻く女性達も、今までよりさらに魅力的に引き上げて、公開の延期や世界の情勢も重なり、これ以上ないくらいの幕引きにしたダニエル・クレイグ。

次のジェームズ・ボンドも同じような苦難を受け継ぎつつ伝統は続くのかと思うと、過酷な任務だなと思います。