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字幕の特殊な点5つ

「字幕の特殊な点5つ」というyoutube動画を見ました。「なるほど!確かに!」と思うことがたくさんありました。字幕って、確かに特殊、です。書籍や実務系の翻訳は「読むこと」が中心(むしろそれだけ!)ですが、字幕って、「目で映像を見て、目で字幕を読み、耳で外国語を聞く」という作業を同時に行っているんですよね。洋画や海外ドラマを普段から字幕で楽しんでいる方は、これって当たり前のことだと思われると思うのですが(私自身もそうでした)、でもよくよく考えたら、これらの作業を同時にやっていると思うと、「自分てすごい!」と思いませんか(笑)
視聴者がストレスなく作品を楽むには、「読みやすくて分かりやすい字幕」がポイントになってくると思うんです。なぜなら、字幕ってぱっと出てぱっと消えてしまうので、一度読んで理解できるものじゃないと、ストーリーが頭に入ってきませんよね。「ん?今のはどういう意味だ?」となってしまうと、そこからストーリーが追えなくなったり、作品を純粋に楽しめなくなってしまいます。

少々話が逸れますが、翻訳者の立場から考えると、セリフの情報量が多い・早口・専門的な内容だったりすると、非常に頭を悩ませます。限られた文字数で、どう分かりやすく伝えるか、情報の取捨選択、専門用語の使い方、裏どり等々…どうすれば難しくて情報量の多いセリフを分かりやすく視聴者さんに伝えられるか。自分の力不足に泣きたくなることもあります。が、こういう壁にぶち当たったときこそ、自分が成長するときだと思います。難しい翻訳から逃げることなく、悩み抜いて考え出した字幕が、バチっとはまった時などは、うれしくて踊り出したくなります(笑)

話を戻しますと、そのような特殊性を持つ字幕。字幕翻訳家としては、常にこの特殊性を念頭に置き、「視聴者のみなさんが純粋に作品を楽しめる」ような字幕制作を目指していきたいと、改めて思わされる動画でした。
もしご興味あれば、ぜひ見てみてください!


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