ヒック

ヒックとドラゴン

「いやあ、こんなにいいとは思わなかったわ!」

「なに騒いでるのよ~~」

「・・・ってか「今頃知ったのかい!!」って言われちゃうかな~。」

「だから、何が??」

「ほら、世の中、夏休みシーズンじゃない??」

「そうね。」

「レンタルDVD屋さんにも、オコチャマの姿が沢山よね。
ほれ、邪魔だ、どけ!!
こんなところでかくれんぼしてんじゃないッ!!
泣くな!!お目当てのDVD探すのに集中できないじゃないかっていう、夏休み。」

「・・・私は無関係だからねッ!
皆様から叱られるのは、貴方だけにしてちょうだい!!」

「で、家族向け、かつ大人も楽しめるって作品を探していたのよ。」

「なるほど。」

「おそらくネットで、信頼する映画好きの人が強くプッシュしてなきゃ、絶対に手にとらなかったと思うのよ~~。

「ヒックとドラゴン」

わたくしと同じように
案外この作品の良さ知らない人多いんじゃない?」

「あ、私も知らないわ。」

「勿体無いよ~う。
「子供向けだろ?」な~んて敬遠せずに、手に取ってみて!!
絶対損はさせないから!!!」

「そうなのね」

「それで思うんだけれど、これこそ映画館で観るべき作品よね。
どっかの名画座は1・2と一緒にかけるべき。」

「えらく肩入れしているわね~~。」

「なんつうても飛空シーンが、キモチいいったらないの!
ジブリ<ヒックだわって言ったら叱られる?
あちゃらが本気出したらこんなにも!って思ったわ~。」

「そんなに??」

「すっげ~~~のよ!

昔さ、あたし、ディズニーのアラジンを観て、魔法のじゅうたんの飛空シーンにやられたのね。

すっげ~~~
気持ちよくて、気持ちよくて。」

「ああ、確かにあれは気持ち良かったわ!」

「でも、その気持ち良いシーンが、結構すぐに終わっちゃって、悲しいと言うか、切ないというか、くやしいというか、出し惜しみすんなというか。」

「ちょっと!最後気を付けて!!」

「その「あ~~~んもっと見せてよ~~う」な気持ちを、ヒックとドラゴンは、もんのすご~く満足させてくれるの。

出し惜しみなしッ!!!

まずそこが偉いよ。」

「ふ~~ん。」

「だーってさ
しつこいようだけれども、その飛空シーンのグレードがそれ程でもなけりゃ、「だれる」わけじゃん??

だれるどころか、「いけいけいけいけーーーーーッ!!!」ってカタルシスを覚えながら観られるってことは、技術=ストーリーで、そのバランスがとれてるってこと。

そして物語も「よくあるパターンのドラゴンとの友情物語なんだろ??」

いやいやいやいやいや、それだけじゃないのよ~~う。」

「・・・エンジンかかっちゃったわ。」

「主人公のヒックは、落ちこぼれなんだけど、ヒックが一生懸命自分を客観視しながら喋る表情とか、すっげ~~リアルでさあ~~。

落ちこぼれに甘んじなくてはいけない奴って、自分の立ち位置わかってるよ~って風を、自分で演出するでしょ??

そういうところがさ、話し方とか、仕草とか
とにかくもんのすご~~く、リアルなのよ。

はみ出しものの処世術が身についている感じが。」

「なんか、あんまり主人公主人公していない印象なのね??」

「だから、大人の観賞にも充分耐えるの。

それにね、これから見る人のために、詳しくは書かないけれども
ラスト失うものがあったのも、変に甘いオチじゃなくて好印象。

甘いだけのファンタジーじゃない。
ないのよ!!

この夏休み、家族揃ってちょっとDVDでもっていうのなら、絶対おススメ!

きっとお子ちゃまよりも、大人が夢中になれること請け合いだわよ~~う!!!」

「あーたがそこまで力入れるってことは、・・・まあ、見てみましょう。
帰りに、あのレンタルDVD屋さんに寄って・・・」

「ほれ、邪魔だ、どけ!!
こんなところでかくれんぼしてんじゃないッ!!
泣くな!!お目当てのDVD探すのに集中できないじゃないかの中、探すのも一興よ!!」

「だから、叱られる時は、貴方だけでお願いねッ!!!」

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