見出し画像

桃丘商事

昨日バスに乗ってたら、娘っ子さん2人がおしゃべりしてて。

どうやら、2人とも内定式が済んで、プレ社会人のようだった。

ひとりの子は、教育係についた「林さん」って人がかなり厳しい人らしく、
毎日ドキドキなのだとか。

「林さん、笑ってくれはらへんねん」

「きっついなあ」

「私、まだなんもでけへんからさあ」

「そりゃあたしかて、そうやで」

「電話!!!」

「電話なあ~~~」

「怖いわ~~~」

「・・・怖い~~~」

「とるだけでええって言われてもさあ」

「なあ~~~~」

「はあ~~~~・・・」

「もう、ビクってならへん??」

「なるなる!!」

「そんなに毎日毎日、電話かけてこんでもいいのにさあ~~」

「ほんまほんま。
何の用があるっていうねんな~~。」


こらこらこらこらこら。

「この間な、「桃丘商事」ってところの電話うけたんやけど」

「うん」

「林さんに「・・・桃丘商事からお電話です」って、渡してさ」

「うん」

「そのあとちょっと「桃丘商事って可愛いお名前ですね」って言ってみたらさあ」

「うん」

「「桃丘じゃなくて丸岡。
先方の名前は復唱して確認とるようにね」って。」

「う~~わ」

「・・・・凹むわ~~~」

「・・・怖いなあ~~~」

「・・・でも、林さん、ちょっと笑ってはった」

「・・・良かったやん!!!」

「林さん、桃、好きなんかなあ~~」

「そうかもしれんで」

「覚えておいたら、なんか役にたつかな。」

「うん!覚えとき!!覚えておいた方がええで!!」

ふっふっふっふっふっふ

今まで、顔色みてもらうことはあっても・・・な娘っ子さん達。
厳しい「林さん」のありがたさがわかるのは、これからだねえ。

ふっふっふっふっふ

そういえば、随分前の話になるけれど、私の新入社員時代、娘っ子さん達と同じように、電話と格闘していた時代。

その中に、電話で「名前を名乗らない」って人物がいてさ~~。

「申訳ありません。お名前頂戴できますか?」
聞いても、ㇷ゚ツリと切られてしまう。

一体誰に取り次いだらいいのか判らないし、本当に困ってしまってねえ。

やがて、大得意様の営業部長って事、判明したのだけれど・・・全く、意地悪だったわ。「大得意なんだから、俺の名前くらい、そっちで判っておけ!!」ってなことなんだろうけどさー。

つまんない所で、自分アピールはするもんじゃない。
その部長が大きな失敗した時、積極的に動いたって子会社の人間は、少なかったって聞くもの。

会社と会社であっても、結局は人間と人間。

娘っ子さん達も、失敗許される時に、いっぱい失敗して、泣いて笑って
早く一人前になれますように。

とか言いつつ、己の悲惨で傲慢だった新入社員時代を改めて顧みて
心中、あわわわわわ。

とりあえず、小さく娘っ子さん達にエールを贈って
バスを降りるわたくしでありましたのじゃ。

ぺけぽん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?