【じごくトニック】

拳銃をちゃんとしまったあと、彼とソファに並びお茶を飲んだ。

「そういや俺、youtube結構人気でさ」
「あー、見てるよ、編集で笑かしてるやつ」
「大黒おかしいよな、何回言ってもなおんなくて。下を育てるって大変でさ」
「…しんどいくらいがきっと丁度いいよ。それにあの編集だって才能だ。…俺の小説なんてまだまだだな」
「おもろいって!おれめっちゃ好き」
「…なんか、誰かの心に残るような作品書きたいわ」
「お前なら行けるって!あのお寿司みたいな!」
「お寿司好きなのは珍しいんだって…」
「でもお前なら出来るって!…そうだ、お前の本でおれがさ、コントやるわ!」
「コントなんて書いたことないよ」
「いいんだよ、なんでも!面白く演じるのが俺の仕事」
近くにあった銃を翔太が構えた。
「手を挙げろ!!お寿司を出せ!!」
「それほんまに危ないから!」



焼かれて身体は疲れているがなんだか良い仕事をしたような気がして、満足げにジャケットを直した。
背中に冷たい空気が走る。
「また、あなたなのですね、シニガミ」
「閻魔様!」

「前のことを忘れたのですか?ランプの精になって何年も仕事をしたときのことを。あなたの行動には呆れます。」
「…なんか、こういう人間わざと当ててないですか?俺に。俺の性格をわかって。実は人間好きなの閻魔様じゃないですか」
「……いいえ、ランダムですよ」
「まあ、ええか。」
「あなたはまた罪を犯しました。代わりにあなたがゴールデンレトリバーとなって、天寿を全うしなさい」
「…はい。」



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