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稲作創話「棚田物語」無類:誕生編

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稲作創話「棚田物語」01 「定年退職起業奮闘記」のはずだった

 昨年の1月21日、還暦の誕生日の日に「定年だから、4月からどうしますか?」と告げられる。世間から見たら至極当たり前のことで、何をと思われると思いますが、本校は65歳になって学院長も教頭も辞めて行かれたので、自分もそれが適応されるものと心得ていただけに、年度末近く1月になっての60歳定年退職の通知。そして、再雇用の条件は非常勤講師で5日働いて、給与半額。(世間では当たり前でしょうが。)  これには、驚いた。動揺した。3か月後の退職。この時期に。この条件。他を探そうにも探す時

稲作創話「棚田物語」00 はじめに

書き始めるに当たって 皆さん、こんにちは。  これから、この場をお借りして、目途、1年間、「稲作神話」ならぬ「稲作創話(挿話でもなく)『棚田物語』を書かせていただこうと目論んでいます。 そこで、もうお分かりのように宮澤賢治が念頭にあります。四国の田舎の谷あいで(とくれば、大江健三郎の「森」も念頭にあります)自然農法(無肥料、無農薬、無投入で、日、水、土の力でお米やお野菜、果樹を育てる農法)を、高校の国語の教員をしながら20年以上しています。そんな中で生まれてきた幾多のお話をま