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稲作創話「棚田物語」甲類:棚田稲作自然農法編

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四国山地の入り口で、半農半教員の生活を20年近く続けてきました。 18枚の棚田で完全自然農法(無肥料、無農薬、無投入)で稲作することは平地での作業よりも、数倍大変です。 しかし、… もっと読む
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稲作創話「棚田物語」甲類04 「苗立て=もみ播き・芽出し・育苗」に大失敗して知った「稲作は、苗立て7分」の深奥

 今年は、大失敗したのです。前年度は、私の稲作20年史上最高の苗を頂いたというのに! 残念!  で、失敗するとどうなるか。今回は、「苗立て」失敗の原因とその影響について、お届けします。これは、あなたの稲作にかなり参考になると、自負します。(毎回言っているだな!)  まず、「苗立て」には、「籾播き、芽出し、育苗」と、3つの行程を孕みます(と、私は思っています)。それぞれで、注意すべきポイントが違うし、そもそもその実施場所も人によって違うし、「苗立て」ひいては「稲作」に対する

稲作創話「棚田物語」甲類03「草刈りは、石崖棚田の美化完成作業なり」

 「甲類01話 ヨセ上げ」で、田地(でんち)創造して、「02話 わらだし」で田中(でんちゅう)清掃して、今回の「草刈り」で、田境(でんきょう)美化。「これで、田界(でんかい)完成。田作り、これにて極めたり!」、なんちゃって。  石崖棚田の畔(あぜ)と石崖の草刈りをした石崖棚田は、本当に美しいと思います。耕耘前でも、田植え前でも、稲刈り前でも、きれいに整髪した昭和の美男子の美しさを感じます。(私だけ?)  で、今回は、草刈りについてですが、石崖棚田の草刈りの場所は、大きく分けて

稲作創話「棚田物語」甲類02「わらだし」

 本来なら、丙01の次は、丁01「大吟醸日本酒誕生物語」をお届けするのが順番なのですが、何せまだ、そのお酒を造った当人の承諾があられていません。私が、常に現地に居ないことが大きな原因ではあるのですが、そのお方もご高齢で、最近あまり現地に顔を出されることが少なくなったことも。  しかし、このご時世、他に交流する手段はあるじゃろ、と思われると思いますが、やはり、ご高齢、お顔を見ての確認でないと難しいこともあるのです。ご理解くださいませ。  ということで、今回は、  甲類02「わら

稲作創話「棚田物語」甲類01「よせあげ」 

自然農法稲作① 「ヨセ上げ ~田地創造~ 」  何を上げるのだと思いますか。「ヨセ」って何? 田んぼにそんな部分があるの? ってことですよね。  でも、これ、親父からも言われた棚田の米作りにとって大切な作業なのです。わが棚田は石垣でできているという話は、以前したと思いますが、その石垣の足元、田に埋まっている石垣の部分の土を田の形に沿って幅三、四十センチほど掘り下げて溝(ヨセ)を作り、そこに水を誘導するのです。その溝の泥土をスコップや平鍬を使って上げていくのが、「ヨセ上げ」で