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松屋のチンパンジー

10/29 晴れ時々曇り

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ここ数日仕事でヘロヘロになっていて、土曜は好きなことをやっていたので、日記を書くのが日曜日になってしまった。

ここ最近の休日は、ひっそりとイラストレーターの個展を訪ねることが多い。
高円寺近辺はギャラリーが多く、また駅近郊の百貨店などでも個展がしょっちゅう開かれているので、目につき次第訪れるようにしている。

デジタルイラストの場合、一枚絵のままで現実世界で展示しようとすると、モノとして迫力が足りなくなる場合が多い。
なので、デジタル系のイラストレーターは個展ごとによく展示を工夫している。

多くの場合は、以下の3つの手段が多い。

  1. 額縁に入れて飾る

  2. 木箱の上に印刷したイラストを貼り付け、軽く絵の具やニスを塗ったり紙ヤスリで軽く表面を擦るなどして、立体感をつける

  3. 布にデジタルイラストを印刷し、木枠に貼り付ける

上から下にかけて費用や手間が大きくなる。
布への印刷となると、業者を介さないとダメそうなので、少々面倒くさそうだ。

これらと同じ方法を使えば、AIイラストも多少は現実で飾ってもモノになるのでは、と思い、早速額縁に入れる方法を試した。
新宿の「世界堂」という大きい画材屋で額縁とマットを購入し、質感を出すためにハガキにAI画像を印刷し、自宅に飾ってみた。

すると、意外にも見栄えが良かった。
デジタルイラストの見栄えを良くするための既存の方法はAI画像にも適用可能だと思うので、暇ができたらこれからも色々試してみたい。

木箱の上に画像を貼り付ける方法も、100均やハンドメイドショップ・ホームセンターで材料が揃うので手軽に試せる。
そういう日曜大工的なことも趣味にしていきたい。

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東京に引っ越してきてから7ヶ月が経ったが、もう200回以上は松屋で飯を食っている。
松屋の注文システムは非常に使いづらいのだが、毎日行っているのでもう慣れてしまった。

ほとんど反射的にスクリーンに表示される牛丼のメニューをタップするとき、一桁の数字の位置を瞬間的に記憶し、数字が小さい順に押していくチンパンジーのワーキングメモリー課題をなんとなく思い出した。
wikipediaの記事もあるくらいなので、有名な実験なのだろう。

https://www.cell.com/fulltext/S0960-9822(07)02088-X

京都大学総合博物館でも、「チンパンジーに挑戦」という題目で、来館者が同様の課題に挑戦できるような展示がされてあったのを記憶している。
一度挑戦したが、「天才チンパンジー」のアユム君の成績を超えることはできなかった。

この驚異的な課題の成績をもって、一時期はチンパンジーのワーキングメモリが人間を凌駕するという報道が複数なされていた。
だが、のちの研究によると、この課題についての訓練を受けた大学生がチンパンジーの成績を抜いたり、他のワーキングメモリを測定する課題と理論的な整合性が取れなかったりしたようだ。

・ヒトとチンパンジーのワーキングメモリに関する研究のレビュー論文
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0149763421005674

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霊長類研究所なき今、この実験の追試を実施する体力が京都大学にあるのかどうかは分からない。
ともかく、高等な霊長類の認知能力を測るためのテストのようなUIを実装した、松屋がヤバいというのは確かだ。

職業柄、最近は色々なシステムのUIが目につくようになってきた。
UIを眺めてそのデザインの良し悪しを考えるのは思っていた以上に楽しいので、本業のそういう仕事にも全力で取り組んでもいいのではないか、と考え始めている。

ということで、そういう感じの本や、コードの可読性に関する本、プログラミング初学者用の本を何冊か購入し、土日で読んだ。
0からリスキリングをするのは精神的には堪えるが、特に忙しいこともないので継続できればと思う。

勉強用に本を買います。