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「多井隆晴はネガティブの最高峰。鈴木大介には負けたくない」松本吉弘プロが真剣考察。男性Mリーガーの麻雀スタイルを徹底分析!


Mリーガーが対戦相手を「大胆・慎重」「攻撃・守備」の独自の観点から分析していく「麻雀遊戯グラフ」。今回は昨シーズンの優勝チーム、渋谷ABEMASの松本吉弘が男性Mリーガーを分析していく。Mリーグの強者たち、そして新たに加わるMリーガーを、松本はどのように見て居るのか。
(初出youtube「麻雀遊戯王」)


――お忙しい中、やっと来ていただくことができまして。

――今回は男性Mリーガーを対象にした麻雀スタイルのグラフを作っていただきたいと思っております。松本プロもベストバランスと言われているような方ですから、多くの方を研究しているんじゃないかと。

松本 これ、みんな同じ感じになってきて、見ているみなさんももう飽きてきたんじゃないかなと思っているところなので「いやいや、本当は違うんだぞ」というところをやっていきたいと思います。

松本 めちゃくちゃいい手でテンパっているときにめちゃくちゃ押すのって、別に僕は攻撃型だとは思わないんですよ。どんな守備型でも倍満テンパイしていたら行っちゃうことのほうが多いですけど、それで押しまくってアガりきっている姿を、見ている人が攻撃型と思いがちで。

 まず自分いきます。たぶんみなさんの中でここ(真ん中)に位置されることが多くて、どっちかというとちょっとこっちよりもこの辺(攻撃・大胆)にいること多いですけど、僕は自分の中ではこの辺。 

――どちらかというと守備・慎重にちょっと寄る。
 
松本 ビビりなので、勝負どころのテンパイしたところではオリないですけど、基本的にそれまでの組み方をちょっと慎重めに組んで、ネガティブに。慎重か大胆かはちょっと難しいんですけど、仕掛け、鳴きの判断が結構大胆によるんじゃないかな、と僕は思うので。

 じゃあ、盟友(白鳥)を。最初、僕から見るとこの辺(大胆・攻撃)だったんですけど、最近ちょっとこっち(守備・慎重)に寄ってきた。ちょっと寄ってきたので、慎重・守備、この辺かな。どっちかというと丁寧というか、悪い、稀なケースをめちゃくちゃ気にするというか、思考がネガティブ寄りですね。

 この人(多井)。
これは誰も言っていなかったんですけど、この人はネガティブの最高峰。麻雀ってそんなにアガれないし、そんなにうまいこといかないよ、というのを一番現実的に捉えている人。

 この人の強さの秘訣って、ミスが少ない。大胆な仕掛けだったり、前に出るのってミスが起こりやすいんですけど、そういう選択を限りなく減らして、リスキーな選択のブレを減らして、総合力で勝とうとしてる。相手のミス待ち、それがこの人の強みなんですよね。ミスしないで相手が崩れる。 

――持久戦に持ち込んでミスを誘う。
 
松本 それを知っている、一番リアリストだからこそ、この成績をずっと残しているんだと思うんですね。これはバカにしているのではなく。「みんな夢見がち」って、剛さんとかもよく言いますけど、そんなにうまくいかないぞと。でもこの人もどっちかというとそういう寄りだと思います。

 たろうさんはそんなに変わらないけど、この辺(大胆・攻撃)かな。

 結構勘違いされがちなのが、ブラフみたいな仕掛けを多用するとよく言われて、『あの仕掛け、たろうみたいだな』とかいう人が結構いるんですけど、この人はブラフで仕掛けていることは一度もなくて、全部アガりきる気で。

 後から鳴いたら遅いし、最初からやってオリてくれたら儲けものだし、目に見えない部分で得になることも結構してるんで、よくゴーン!とか言われているけど、そんなことは僕はないと思うんですよね。ただ、無茶な仕掛けも結構するほうだなと。強気ではあると思うので、ここにしました。

 賢ちゃん。この人は人によって変わる場所にいると思います。頭いい麻雀を打つ、しかもめちゃくちゃ強いと思うんですけど、やっぱり自ら死地に飛び込んでいくようなイメージがあるんですよ。その中でかいくぐってギリギリになってアガリを導き出す。大胆。オリるってマイナスなプレーなので、マイナスを受け入れたくないから、この辺(大胆・攻撃)かな。

 どちらかといえばこっち(守備・慎重)のほうが、最後の3巡とかに生き残っている率は低めではある。こちら(大胆・攻撃)は最後の最後まで生き残って、上下のブレは大きいかな、と思います。
 
 タキヒサ(滝沢・寿人)。滝沢さんは翔ちゃんとちょっと近いかな、慎重ではある。でも大胆なこともするんだよな。慎重・守備、この辺。

 結構、守備代表格みたいにされがちだと思うんですけど、自分の中でスタイルチェンジしている部分もあると思いますけど、結構最近は変えているような気がしますね。ちょっと遠めの仕掛けとかもよく入れているようなイメージがあります。

 この人(寿人)、ここ(大胆・攻撃)によくされがちだと思うんですよ。全然違う。この人は全然大胆じゃない。この人は張ったらオリないだけで、それまでは字牌の扱いとかもめちゃくちゃ丁寧で、生牌を自分から打ち出すときには相当な手が入っていることが、僕が見ていると多いです。全然大胆じゃない。豪快なリーチと豪快なツモが多いだけで。

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