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映画『そばかす』同じような人を、探してる


映画『そばかす』を、やっと、観た。

いやあ、好きな映画がまたひとつ増えた。


あらすじ

物心ついた頃から「恋愛が何なのかわからないし、いつまで経ってもそんな感情が湧いてこない」自分に不安を抱きながらも、マイペースで生きてきた蘇畑佳純(そばた・かすみ)は30歳になった。大学では音楽の道を志すも挫折し、現在は地元に戻りコールセンターで苦情対応に追われている。妹の結婚・妊娠もあり、母から頻繁に「恋人いないの?」「作る努力をしなさい!」とプレッシャーをかけられる毎日。ついには無断でお見合いをセッティングされる始末。しかし、そのお見合いの席で、佳純は結婚よりも友達付き合いを望む男性と出会う。


流行りのセクシャルマイノリティもの、というけどセクマイって別にずっとあるんだよね。
世間が見ようとしてこなかっただけで、ずっと、いた。

今作の主人公である蘇畑さんはAロマ/Aセク(他者に恋愛感情を抱かず、性的欲求も抱かない)だけれど、きっと今カテゴリが存在してるものに当て嵌めたらそうってだけで、実状はもっと細分化できるんだと思う。

結局よくわからない側がわかったつもりになりたいから、そして当人側が自分はこれだと当て嵌めて安心したいから、そういった理由でカテゴライズしていっているだけな気がする。

人ってカテゴライズするのが好きで、自分が“マジョリティ”であり“普通”でありたいし、そうでない人を排除したがるもの。

そして自身がマジョリティ側であってしまうと、それが当たり前だと疑わなくなってしまう人が多いよね。想像力がなくなってしまう。
だから価値観の押し付けがあるわけで。

でもそうじゃない側の人の強さを、そして弱さを、見くびらないでほしい。
マイノリティ側に立たされた人しか持ち得ないものってあって、それが私はとても好き。
ただそれはとても脆くて、誰かが認めてくれることで保てるようなものでもあるから。

蘇畑さんは作中色んな人と関わっていく。
気の合わない人たちとの消化試合の合コンにも数合わせで参加するし、友達になれそうと思った人とはバイクで旅行をする。たいして仲良くなかった昔の同級生にいきなり誘われた2人きりのキャンプへも行く。
それってきっと、どこかに自分と同じような人がいると諦めきれなくて、探しているからかもしれないなあ……


“そばかす”みたいに、個性だし自分はそれで良いと思っていても周りが勝手に「それは良くないもの、恥ずかしいものだから普通になれ」と言ってくることってあって、それが蘇畑さんにとってはセクマイであることだった、それだけなのにね。

この社会には、ノイズが多すぎる。
もっとみんながフラットになって、するりするりと社会を駆け抜けていけるようになればいいのにな。

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