フィリピン人Dくんのご紹介
先日note復活をさせたところなので、まだ話題に上っていないフィリピン人Dくんについて紹介しておこうと思います。
Dくんは今年の3月、別の牧場から転職してウチにやってきた。
きっかけは、Jくんのクラスメートだったフィリピン人の女友達が
「今の牧場を辞めたい。Jくんの牧場で私を雇ってもらえないか。」
という相談をしてきたこと。
その女友達も酪農の実習生から特定技能に移行し、とある牧場で働いていた。
「社長がイヤだから辞めたい。他のフィリピン人も辞めたいと言っている。」
話を聞いてみると、働いた分のお給料をちゃんともらえてない他、セクハラっぽい言動に嫌気がさしているとのこと。
そりゃ辞めたくなるわ。。
2人男子が住んでいる社宅(キッチン、お風呂、トイレ共同)に女子を迎えるわけにはいかず、少し離れた別宅(牛舎まで自転車で5分)を提案したところ「遠い。」と難色を示され、その子は結局採用には至らなかった。。
数日後、支援機関から連絡があった。
「そちらの牧場で働きたいという方がいるのですが、、、」
Jくんの女友達のところで働いている別のフィリピン人からの要望だった。
Jくんの女友達が、「女の人は宿舎の関係でダメだったけど、(←いや、別にダメじゃないんですけど。)男の人なら入れるかも。」とウチのことを紹介していたようだ。
その紹介された側のフィリピン人がDくんだった。
早速面接してみると、手入れのされていないボサボサの長髪でちょっと雰囲気の暗い感じの男性だった。。。
日本語もそれほど上手とは言えない。。。(この時はかなり緊張していたそうだ。)
面接にはLくんとJくんも同席させた。
彼ら2人と私達の信頼関係はしっかり築けていると思っているし、牧場全体の仕事がスムーズに回るかどうかは、彼ら2人とよい関係が築けるかどうかもかなり重要だと思ったからだ。
3人とも同じフィリピン人でありながら、彼らの母国語はみんな違う。
Jくんがタガログ語、Lくんがカンカナイ語、そしてDくんはイロカノ語。
Lくんはイロカノ語も話せる。
時々、タガログ、時々イロカノになりながら、お互いの相性を確かめていく。
Jくんは2人の会話がイロカノ語になると、
「全然わかりません。。」
と苦笑いしていた。
日本語に多少の不安があるが、彼ら2人とのコミュニケーションがうまくいけば問題ないと思った。彼ら2人も大丈夫だと判断し、採用することになった。
配属日、前職の社長とも多少の揉め事があったそうだが、何とか私達のところにたどり着いた。
背が高くて、髪がボサボサライオンな人。。。正直見た目の印象はよろしくなかった。
牛舎を案内しながらいろいろ雑談。
面接の時と比べて、
「あれ?日本語意外と上手じゃん。」と気づく。
「その髪は、伸ばしてるの? 本当は切りたいの?」
「切りたいです。」
「どれくらい切ってないの?」
「1年すぎです。」
切ってないというより、切らせてもらえない(髪を切りたくても山奥で交通手段がない)という状態で放置されていたらしい。
本当に優しくない職場だったんだね。。。
次の日、すぐに近くの理容店に連れて行った。
ボサボサライオンからイケメンに早変わり!
本人もかなりスッキリした様子。
Jくんもビックリ。
「そんなに顔小さかったですか~?!」
後日、手続きの関係でDくんの前の職場の社長ともやり取りすることがあった。
「あいつはお金にルーズで、お酒とタバコに金はかけるし、新しいスマホもポンポン買う…。」
※この社長とのやり取りもネタにはなりますが、気分悪くなるのでやめときます。とにかくホントに最悪なところでした。。。
お酒や新しいモノ好きなのは、本当だった。
でも、ウチに来てからタバコはやめた。
そして、いつもニコニコして元気に挨拶してくれる。
とても楽しそうに毎日働いているし、3人で仲良くやってくれている。
Jくんもそうだったが、前の環境が劣悪なところだと、ウチに来ただけで相当幸福度が上がるようだ。
Dくんは支援機関の担当者にもメールを送っていた。
「ここは快適です。仲介してくれてありがとうございました。」
面接の時の印象とは明らかに別人のようなDくん。
動物が好きなのが本当に伝わってくる。
子牛に満面の笑顔で一人で話しかけているのをよく見かける(笑)
ま、子牛だけじゃないんだけど。
母牛でも猫でも何でもよく話しかけている。
そして、よく笑う。(笑い上戸なのか?)
社宅では一人で音楽をかけてノリノリで歌っている。
外に丸聞こえなんだけど、全く気にしていない(笑)
あのク〇社長のもとで働いていた過去があって、今最高に幸せなんだろうな、と思うとこちらも嬉しくなる。
会社の経営危機は脱していないけど、彼らのためにもできるだけ長く存続できるように引き続き頑張りたいなと思います!
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