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【連載エッセイ】余生-わたしは何処へ向かうのか-1話



◆はじめまして。田舎暮らし、バツイチ、アラフィフ女です。◆

唐突だが…。
私の人生、こんなはずでは無かったのだ。

20代の私が想像していた50代の私は、家庭円満と言うぬるま湯に、どっぷりと浸からせてもらって、鼻歌でも歌っているイメージだった。

贅沢はしなくてもいい。
ただ家族仲良く健康で、旦那さんと私…そして子供達。
孫なんか居たら嬉しいな。
犬とか飼えてたら嬉しいな。

…なんて妄想していた20代の私。
えっ。でもコレ、控えめな夢だよね?何にも贅沢なこと言ってないよね?

この控えめな妄想をしていた20代の私に言ってあげたい。

「叶ったの、犬を飼うってトコだけだよ」

あ、いや待て。子供達には恵まれている。仲も良い。
この点は、妄想以上に幸せだ。

2人の子供達は立派に社会人になり、長女は優しい男性とご縁あって、結婚して大切にしてもらっている。
長男は、遠い都会で彼女と同棲中。コロナ禍で心配でもあるけれど、これもまた良し。

いっちょ前に2人とも、私の健康状態や経済状況を心配してくれる。

私は…子供達にそんな心配を掛ける程、弱くなってしまったのかと情け無くもあり…と同時に、
母親の心配をし、困ってたら(お金に)いつでも言ってと、頼もしい事が言える大人になった我が子達を嬉しく、誇らしくも思う。

でも、まだ大丈夫だよ。

まだアナタ達にお金の事で迷惑を掛ける程では無いから…。

そんなやり取りを昨夜も娘と、LINEでした所だった。



◆我が子にお金の心配をされる五十路オンナ◆

なぜに…社会に出て間もない我が子達に、いい歳をした母親がお金の心配をされているのかと言うと…。

私がバツイチ、シングルだからだ。

いえ、こんな説明では立派に稼いでいらっしゃるバツイチ、シングルの方に失礼だ。ちゃんと説明させて欲しい。
バツイチシングルに付随する沢山の事件、ハプニングがあり、現在経済的にギリギリな生活を送っているのだ。
その数ある事件、ハプニングの中でもなかなかメガトン級だった事が、『自己破産』だった。

個人事業主で、ある業種の店舗経営をしていたのだが、自己破産をするという事は、同時にお店も失う事を意味した。
すなわち仕事を失うのだ。

ネットで調べたところ私がもし会社員だったなら、自己破産をしても仕事は失わずに済んだらしい。
しかしまぁ…会社員だったら大きなお金も動かないので、自己破産なんてしなくて済んだのだか…。

これはもう、事件やハプニングじゃなく、全て私の判断の遅さ、商売に対する考えの甘さが招いた必然的な結果だった。
それがちょうど2年前…10年程続けていた事業だった。

離婚をしたのが約6年前…。
子供達が最終学歴を卒業したら、離婚届けを出す話し合いは出来ていて、今後一人で生きていく為に頑張って起業したのだか、商売は甘くはなかった。

もうね、あり金全部を資金繰りに当ててしまって、いよいよその月の支払いや融資の返済、どう考えても足りなくて…督促のハガキや電話が恐怖で頭おかしくなりそうで…。

やっと弁護士さんに相談して、債務整理ではなく自己破産…と心を決めたのだった。
弁護士費用、従業員への最後の給与などは弟が、必ず何年掛かっても返すと言う約束のもと捻出してくれた。

頭の良い人は、自己破産にまでなる前に、まだ手持ちのお金がいくらか残ってる状態で、きちんと後始末やご挨拶をしてから廃業…とキレイに辞められるのだと思う。破産では無く廃業だ。
私は…判断が遅かった。
そう遠くない未来、運転資金が底をつく事くらい計算したら分かるのに…。
恐ろしくて…現実を直視する事を先延ばしにしていた。
本当に、経営者失格だ。

結果、大切なお客様を裏切り、お世話になった取引先や銀行さんも裏切り、従業員を悲しませる事となってしまった。
50過ぎにもなって何やってるんだか…情けない。


◆ここから這い上がれるのか?◆

結婚してから二十数年暮らした街…子育てをした想い出深い街を逃げる様に離れ、生まれ育った田舎町に、愛犬と共に身を寄せた時、所持金はほとんど無い状態だった。

両親も亡くなっていて、これまたバツイチの…自己破産時に資金面で助けてくれた弟が住んでいる実家に、しばらく住む事になった。

とりあえずお金を稼がなきゃという事で、地元のスナックで働かせてもらっているのだが、
このコロナ禍、いつ県からの営業時間短縮要請がでるのかビクビクしていた矢先…腎盂炎になり1週間の入院。

それに被せる様に、県からの営業時間短縮要請でスナックは休業。
そして、腎盂炎回復から間を置かずして肺炎で再入院…。あ、コロナではなく、細菌性の肺炎だ。

私は過去、乳がんに罹患していて放射線治療を経験している。その事が関係しているかどうかは分からないが、罹患後もタバコを止められなかった事もあり、数年に一度ほど肺炎になる。
あくまで自己分析だが、先の腎盂炎で激しく体力を消耗した為、
免疫力が劇落ちし、腎盂炎の回復と同時に肺炎になってしまったのだと思う。

自己破産からの流れを見てきた子供達からすれば、
夜のお仕事、しばらく行けないのに治療費は払えるの?生活費は足りてるの?…と心配になるのも無理はない。


◆タバコやめる。絶対に。◆

乳がんに罹患し、肺炎を何回もしてきて、それでも止められなかったタバコ。
しかし今回は、止めないとマズイ気がビリビリしている。私には第六感なんて多分無いけれど、ここでタバコ止めなければ、命に関わる気がしてならないのである。

タバコ吸ってる人は、コロナ重症化するリスクが高いって言うし。
まだ死にたくはない。

タバコを吸わない…もしくは止めた人からすると、そんな事乳がんに罹った時に決意しろ!という話しだ。
でも遅くはないよね?今からでも。

ここ数年、自分を嫌いになってばかりだった。
タバコを止める事は小さなことかもしれないけれど、止められたら…
少し自分の事を好きになれそうな気がしている。


⚫︎2話へ続く⚫︎
執筆初心者の為、ゆっくりと書いていきます。
読んでくださる方がいればいいなぁ…。
2話は1ヶ月以内には…と思っています。 
          緋色しゅうこ

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