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VCの代表がタイミーでアルバイトをやってみて思ったこと

先週の日曜日、はじめて「タイミー」というアプリを使って短時間の仕事をしてきました。

アルバイトをやったのは学生のとき以来。都内のホテルの敷地内でバーベキューの鉄板を2時間半ひたすら洗い、バイト代として3500円もらいました。

その日の夜は家族でおいしいごはんを食べに行き、帰ったら疲れ果てて21時前には寝てしまいました。

平日にベンチャーキャピタル(VC)の代表として働いているのに、なんで突然アルバイトを?と思うかもしれません。

理由は単純で、まずはタイミーを使ってみたかったから。

このアプリ、ご存じの方も多いと思いますが、空いてる時間に仕事が探せて、面接なしですぐに働けるのが特徴。若い人を中心にかなり使われているそうです。

もちろん僕も存在自体は知っていました。でもこういうものは自分で体験してみないとわかりませんし、実際、使ってみたら想像以上にすごかった。

僕らVCはスタートアップに投資をするのが仕事です。でも実際、こういうアプリをちゃんと使っているかというと、胸を張ってイエスとは言えません。

同じようなVCの方もいるんじゃないかと思います。メルカリで出品はしていない人、YouTubeに動画をアップしたことがない人、いくらでもいるはずです。

僕自身、そんな反省もあって週末に行動してみました。

本当にすぐに、仕事がきまる

というわけでタイミーのアプリをインストールして、気になるバイト先に申し込んでみます。すると、本人確認として免許証の写真をアップロードする必要があると表示されます。

僕は「あー、ここで数日かかるのかな…」と勝手にがっかりしたのですが、なんと1時間で確認が終わりました。すぐに応募したバイト先から「OK」と連絡がきて、仕事の予定が入りました。

自分の感覚だとまず履歴書を出して、面接をして、といったステップが当たり前だったので、このスピード感には驚かされました。これは体感しないとわからなかったと思います。

僕が選んだ仕事は「レストランの皿洗い」。一応、家でもやっていますから、これだったらできるかもと選んでみました。実際に現場に行ってみると、ホテルが運営するバーベキュー場で、洗うのは「皿」ではなく、バーベキューの「鉄板」でしたが(笑)

当日は朝からかなり緊張していました。飲食店のバイトってちょっと怖いイメージありますよね。なにかミスをすると怒鳴られるんじゃないか、きつく怒られたらどうしよう…と。

11時半からの仕事なのに、ソワソワして11時10分くらいに着いてしまうくらいにはびびってました。

でも仕事がはじまるとあとはひたすら鉄板を洗うだけです。途中、いろいろと作業の仕方を教えてくれる人がいて、「この人がお店のスタッフなのかな…?」と思って尋ねると、その人もタイミーで来た人でした。

一緒に2時間半ずっと皿洗いをして、初めての飲食バイトは終わりました。意外なことに、なにも怒られていません。

久しぶりのアルバイト代は、交通費込みで3500円。これはうれしかったです。

もちろん仕事はそれなりに大変でした。大きな鉄板を何枚も洗うのはかなりの体力を使います。洗い場はエアコンもないので暑いし、さらに体力が削られていきます。相当いい運動になりました。

その日の夜は今年一番はやく寝ました。ああ、これなら日本の未来は多面的に明るいぞ、と思いながら。

“このレベルの使いやすさ”が当たり前に

僕らの世代だとバイトをするってわりと「おおごと」だったと思います。どこでバイトをするかって学生にとっては一大イベントというか、簡単には決められないですよね。

でもいまやアプリから選ぶだけで、すぐに好きなバイトをやることができる。この体験を当たり前のようにしている若い世代がいる、ということに対して、すごく心強いなと感じました。

飲食業界はデジタル化が進みづらい領域だと思っていましたが、タイミーでバイトを開始するときは、その現場に置いてあるQRコードを読み取ってチェックインするだけ。バイトが終わったらまた読み取ってすべて終了。

あらゆるフローがよくできていて、このレベルのサービスが出てきたから市場に変化が起きた、もはやこのレベルで使いやすくないと広まらないだろうな…とも感じました。それを身をもって体験できたのはよかったです。

タイミーがあることで、今回バイトをした飲食店の現場も変わっていったんだと思います。たとえば洗うべき鉄板が100枚あったとして、翌日タイミーで何人呼べばいいか。確実に終わらせるためには、多少は待機が発生したとしてもバイトを多めに発注するかもしれません。

要はこうしたサービスを上手に使うことが、うまくお店をまわすことに直結する。そうなってもおかしくないわけです。

やっぱり目の前で体験してみると見えてくるものがありました。

VCはもっとプロダクトを触らないと

今回使ってみたタイミーはスカイランドベンチャーの投資先ではありません。ただ、そんなことは関係なく、うちのメンバーには「タイミーやってみなよ」と言っています。これだけ広まっているアプリは絶対使ってみたほうがいいんです。

VCで働いている人って、たぶん外から思うよりも全然ネットサービスやアプリを使わないんです。TikTokに投稿したことがある人なんてまずいないでしょう。それってどうなのかなと僕も思います。

そう考えるようになったのにはきっかけがあります。

DCMベンチャーズというVCに、業界でも著名な原健一郎さんという方がいます。彼が以前、「Uber Eatsの配達をやってみた」という話をしていました。

これを見て僕は「めちゃくちゃ良いな」と思ったわけです。

VCや金融領域の人と話していて、「メルカリで最近こういうものを売ったんだ」みたいな話はまず聞きません。さすがにLINEは使っているでしょうし、Facebookに近況を書いたり、Xにポストしたりくらいはしていますが、「出品する」とか「アップロードする」とか「配達する」とか、そういう能動的な関わり方をしている人は驚くほどいません。

VCに関して言うと、ほとんどの人が投資先のプロダクトすら触っていないと思います。それが多数派。100人いたら、95人は触らないと思います。

そもそも出資するときにプロダクト自体が存在しないこともありますから仕方がない面もありますが、プロダクトがあったとしても、メインは資料をもとにした企業分析になりがちです。

会員数や売上などの数字しか見ていないんです。僕もそうでした。VCをはじめてから10年くらいたって、ようやく「プロダクトもできるかぎり触ったほうがいいんだよな」と気がついてきました。そんなレベルです。

だからこそ現場に行ってみるのが大事です。Skylandには20人弱のメンバーがいますが、その全員に現場を見に行く気持ちを持ってほしいと思っています。

自分でやってみてはじめてわかることもあるはずです。たとえばSkylandにはマツモト君というWeb3に詳しくて、いろいろなサービスを圧倒的に触っているインターンの子がいるんですけど、現場感では僕は彼にはまったくかないません。

メルカリでは「出品したことがない人は採用しない」という方針にしていたと聞きました。もちろん使ったことがない人は、面接の期間中に出品と購入の両方をやれば大丈夫としているそうです。いまでも続いているかはわからないですけれど、これは良い文化だなと思います。

たとえばSkylandのWeb3のチームの場合、NFTを買ったことがない人は「それってどうなんだ?」となるじゃないですか。アプリやサービスにはちゃんと触れておいたほうがいい。

うちはANYCOLORに出資させてもらっています。でも僕はまだVtuberになれていません。絶対にやってみたほうがいいのは間違いないですよね。

最後に。

タイミーを使ってみて、ひとつ思ったことがあります。

飲食店のアルバイトってみんな学生時代とかに普通にやってきてると思います。でも僕はその経験がありませんでした。だから実は人生で一度くらいはやってみたいと思っていたんです。

でもいまからアルバイトを定期でやるのは現実的にむずかしい。面接に行くのも気後れするし、そもそもこの年で経験もないと落ちるでしょう。だから、僕にとってタイミーというサービスの一番素晴らしいところは、面接が不要で、憧れの仕事ができるということでした。

タイミーは憧れを気軽に叶えてくれるサービスでもある。そうやって使う人もいるんじゃないか、と思いました。


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