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【フィールドワーク記録(8)】八反坊~備北の怨霊・その2 庄原市(広島県)

 引き続いて、広島県東部「備後地方」の北部・・・すなわち「備北」と呼ばれる地方にある怨霊ゆかりの地について御紹介いたします。
 こちらは良く知られている所ですが、実はそれはインターネットが普及してからの話で、それまでは地元の人もあまり詳細を話そうとしなかった場所。それが「八反坊(はったんぼう)の祠」です。

 これは全国の怨霊伝説を調査すると出てくる事があるのですが、「怨霊」として恐れられ、またその場を”怨霊の力の宿る場所”と定め、憎き相手を呪ってやろうと呪詛の場にされるが、実は地元では「怨みを残して死んだから怨霊になった」という話ではなく、「困った人々を守るために図らずも犠牲になったが、その後は霊は困った人々の子孫たちを守るために今も霊となっている」というのが転じて「手をかけた相手を憎む怨霊となった」と理解されるようになった・・・という事も少なくはない話で。今回の八反坊についても、専ら「怨霊」と「今なお呪詛が行われる地」というイメージばかりが強くなっているのではないかという気がする場所でした。

 備北最大の街である庄原市の東城町(とうじょうちょう)という場所に「八反坊の祠」があります。

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