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電話恐怖症が階下にまで至る水漏れを引き起こした時の話

何から始めれば良いかというと、

・水をふき取り換気扇を最大限に回す
・大家(管理会社)へ連絡を取る
・保険会社へ連絡する
・階下の人に謝りに行く
・神様どうか壁とか何とか全部無事でありますように

この全部である。
もう全部するしかない。そうしないと、何も終わらない。
反対に言えば、しておけば何とかなる。
しなきゃいけないと思いながら先延ばしにして、いいことなんて一つもない。
今から電話しよう。

電話をどうかけたのか

心に雲が立ち込めていた。簡潔に言うと、鍵となる文章を一から書いて、それから電話したのだ。

今はもう見るのも恐ろしくて捨ててしまったため、可能な限り再現すると、

・でんわ
・みずもれ
・ほーす、とれた
・したのひと、おしえた

という、4つの文章が、全部ひらがなで書いてあった。

さらにパソコンでいわゆる新卒向けビジネスマナーの謝罪の言葉みたいなものを検索して、どうにかこうにか相手に失礼のない文章を目の前にしながら、なんとか喋った。

これは今まで、電話しなくちゃいけない時にしていたことと同じだ。ただいつもなら1~2日は準備に時間をかけていたのを、もう30分とかそこらでやらないといけないと分かった。

パニックになっていたけれど、この連絡を怠ったら、最悪ここで生きていけなくなる。そう思うと、必死になって、大家さんと仲介会社、さらに保険会社へと連絡を取った。

火事場の馬鹿力ならぬ、火事場の電話だった。

電話の苦手度

私は電話が苦手だ。電話をするという行為自体が自分の日常をかき乱すように思えてしまい、常日頃から可能な限りチャットワークやメールに頼ってきた。

この2つは時間通りに電話をできるし、さらにチェックリストのように管理できる。

そんな自分が「水漏れを起こしてしまった」「どうすればよいのか」という電話をすること自体、もうパニックだった。
水をふき取ることもしなくちゃならないし、電話もしなくちゃならないし、今の時刻を考えてみろ私はこれから何をしなくちゃいけないんだ!?

ひたすら焦りながら、私は洗濯機を止め、床にあるだけのバスタオルと不要な衣類を広げ、水を吸わせた。そして片っ端から絞り、唯一水を流しても問題なさそうな風呂場へ投げ込んでは絞り、投げ込んでは絞った。

30分くらいそうしていただろうか。

やっと落ち着いたところで、私は次の対応に迷った。

どう考えても、下の階の住人はとりあえず落ち着いたところで出勤しており、そもそもこのあと何をすればいいのかもう分からない。
藁をもすがる思いで、とりあえず検索した。

「水漏れ 対応」

ネットのまとめ記事とはこういう時便利なもので、ともかく嘘ではない一般論を知るのには便利だ。順序立てと優先順位を、簡単に付けられる。こういう、日常生活の事故対応に関しては、だ。

これでひとまず、大家さんと管理会社と保険会社に連絡が必要と判明した。

やらなきゃいけないことを後回しにするところがあるのは重々承知で、実は言うとこの時点でもう滅茶苦茶眠かった。すごい眠かった。

ひとまず必死になって文字を書いて、こういう電話をしなくちゃいけない、ということを形にする。さらにPCを立ち上げて謝罪文などを検索し、ひな型に沿うような形で電話にやっと手が付いたのだ。

結果として賠償とかなんとか、そう言う話にはならなかったし、梅雨時でカビが心配だがそういう気配もない。とりあえずは、たぶん、なんとかなったと信じている。


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