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【祭りの風景】後半はほぼ芭蕉さんのお話〜きうり天王祭(福島県須賀川市)

※すみません。先に謝ります。この記事は、須賀川市の「きうり天王祭」について書く予定でしたが、後半は『おくのほそ道』の芭蕉さんの記述になってしまいましたm(_ _)m 牛頭天王についても、もっと詳しく書きたかった…。

今回は、ぐっと時をさかのぼって2018年7月に撮影した、須賀川市の夏祭り「きうり天王祭」をご紹介します(情報古過ぎ)。

かつての須賀川市の代表的な観光スポットといえば、国指定名勝の須賀川牡丹園。しかし、現在の須賀川市は「特撮の神様」円谷英二の生まれ故郷として知られるウルトラマンの街です。東京オリンピック1964大会で活躍した円谷幸吉選手も須賀川市出身です。

2013年には「M78星雲 ウルトラの星」と姉妹都市になりました。そんなわけで、須賀川駅前から岩瀬病院前、須賀川市民交流センター tette(テッテ)前を通り、国道118号交差点にいたる通り沿いには、両側にウルトラ兄弟と怪獣の像がドドン!
そんなわけで、2018年のわたしも怪獣とウルトラマンの像を撮りまくっております! それはいいとして、肝心の祭りの写真が少ないのはいかがなものか。反省として、今年のきうり天王祭を撮影することにいたします(;^_^

震災で被災し建替えた須賀川市役所庁舎には、ウルトラの父の勇姿が!

きうり天王祭は、旭ヶ岡公園に鎮座される岩瀬神社の祭礼。江戸時代から270年以上続く須賀川を代表する夏祭りで、毎年7月14日に宵祭りがおこなわれます。
宵祭り当日は、当時の三丁目(現在の南町)に設置された岩瀬神社の御仮屋(おかりや)前に来場者が長蛇の列をつくります。

来場者の手には、須賀川市の特産品もあるキュウリが2本! このキュウリを御仮屋に祀られた牛頭天王(ごずてんのう)に奉納し、護符代わりのキュウリ1本をいただきます。そのキュウリを食べると1年間病気にならないという言い伝えがあるとか。

以前はおおぜいの来場者で賑わいましたが、ここ数年はコロナ禍で中止。しかし、今年4年ぶりに宵祭りが開催される運びとなりました。

岩瀬神社は明治時代までは、ご祭神の名前通り「牛頭天王」と呼ばれていたそう。この牛頭天王は、インドの祇園精舎の守護神で、京都祇園の八坂神社はじめ、その神を祀る神社の俗称になっています。

そういえば、京都や博多の祇園祭でも祭りに関わる人びとは、お祭り開催中はキュウリを口にしないらしい。その理由は、八坂神社の神紋がキュウリに似ているからだとか。
須賀川ではどうなのかな? 「岩瀬きゅうり」は地元を代表する特産品なので、農家さんが食べないわけはないと思うんだけど…撮影のときに聞いてみたいと思います。

先日アップした南会津町田島の祇園祭もキュウリを食べないのだろうか? こちらも気になるところです。
そういえば、数年前、古来の日本には夏祭りはなかったことを知りました。日本古来のお祭りは、豊作を願う春祭りと豊作に感謝する秋祭りのみ。夏祭りがはじまったのは、平安時代初期のことらしいのです。これについても、いつか書いてみたいと思います。

ここからは、いつも通り写真中心に祭りの様子をご紹介します。

祭りの写真があった…!(しかし少ない)

しかし、なにしろ5年前のことなので、街並みや怪獣の像が変わっている可能性も。「風流のはじめ館」もまだ完成前だったし。

キュウリを奉納するために並ぶ人びと
華やかな浴衣姿の女子も

露店には輪投げや射的や飴屋さんが並びます。

今も昔も男の子は射的が好き!(今は女子もかな…?)

今も昔も女の子は飴が好き…と思ったら、男の子だった。

あ、こんなところに怪獣さん。この怪獣はピグモンでOK?

ひとりで見るより…
二人の方が楽しいよね(知らない人とだけど)

と思っていたら…!


「俺は一人が好きだな」とうそぶく人が!(キュウリを持たせたい)

通りでは、一般客相手にウルトラマンが…!

いやいや、一般の観光客さんですから!
お花とウルトラマン

以下、馬町あたりの風景です。これは薬局さんの隣の建物。この界隈には昔の醤油屋さんの空き店舗があったりと、町屋の雰囲気が残っています。

須賀川は江戸時代、奥州街道の宿場町として賑わい、俳諧もさかんだったそうです。あの松尾芭蕉も『おくのほそ道』の旅路の途中、須賀川の俳人であり、駅長だったといわれる相楽等躬(さがらとうきゅう)の自宅に7泊も逗留し、3句を残しています。

その途中、芭蕉さんが心惹かれたのが、須賀川宿の片隅に庵(いおり)を結んでいた可伸(かしん)さんというお坊さんでした。
その静かな暮らしに感じ入った芭蕉さんは「西行法師の歌にある、栃の実を拾う深山の暮らしもこんな感じだろうか」と懐紙に書きつけたとか。

それだけじゃなく、可伸さんの庵にあった栗の木で1句詠んじゃっています。

「世の人の 見付けぬ花や 軒の栗」
世間の人が見つけることもないであろう軒の栗の花。その花のように、静かなあなたの暮らしにあこがれる……的な感じでしょうか。

下記は可伸さんの庵跡の写真。5年前だから、今はちょっと違うかも?

可伸庵跡
可伸庵と芭蕉について解説した案内板(まだあるかな?)
軒の栗の案内

わたしが撮影した頃も、オシャレなパン屋さんだったり、イタリアンだったりが並び、Rojima(ロジマ)というフリーマーケットがおこなわれたりと、少しずつ変化しはじめていた大町界隈。
その後、道路の整備が進み、「風流のはじめ館」という施設も完成。今はかなり街並みが変わっていると思います。

だけど、須賀川は昔の街並みを上手に生かしているんですよね。そこがステキなところ。
かつて賑わいの中心だった「赤トリヰ」跡を市民交流センターtetteにして、オシャレな図書館を併設したり、「ウルトラの星」と姉妹都市になったりと、県内でも活気を感じる街の一つ。ウルトラ怪獣の像も増えたし、ぶらっと散策にぴったりです。

わたしも怪獣さんを撮影しながら、お祭りを楽しむことにします。あ、キュウリを調達していかなくては…!


お休みどころ
馬町通り商店街のアーチ。昔はどこの商店街にも、こんなアーチがありました…というか、あったようです(;^_^
葉っぱに隠れていますが、明治天皇の行在所(あんざいしょ)跡

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