見出し画像

【記憶を記録する】ある兵士の記憶①

久しぶりに【記憶を記録する】をアップします。

以前の仕事ではご高齢の方にお目にかかる機会が多く、取材の間に「戦争体験」や「昔の商店街の賑わい」「祭りの華やかさ」など、さまざまなお話をうかがいました。
何度か、「私は今、とても“貴重な記憶“を聞かせていただいている」と感じる瞬間がありました。そこで、そうした記憶を聞き書きして残す【記憶を記録する】と名付けた活動をはじめたわけですが、仕事や介護などで多忙になり、自分自身も精神的に疲れてしまい、いつの間にか活動から遠ざかっておりました。

その後お休みをいただいたことで、少しずつですが、元気を取り戻しましたが、noteは旅の記録など「自分の記憶」が中心だったりしました。

最近【記憶を記録する】を始動するモチベーションがわいてきました。仕事をしながらなので、どこまで更新できるか不明ですが、少しずつでも継続していきたいと考えております。

個人的な活動【記憶を記録する】とは?

今回の「記憶」は、以前取材させていただいた方のお父様の「戦争の記憶」です。戦地での手記の一部分の複写と投稿の許可をいただきました。

お父様はとてもお話のお上手な方だったそうで、手記の表現もかなりリアルで、その場に居合わせたような臨場感があります。

※●は判別がつかなかった漢字です。申し訳ございません。また旧字や旧仮名遣いを含め、できるだけ原文に忠実にリライトいたしましたが、誤用と思われる表現は修正しております。

ある兵士の記憶


1

聖戦四年のさなか、意義深き紀元二千六百年を迎へ、日章旗の進む所、大東亜建設の大道は益々拓け、東亜氏族開放の黎明は漸くその光を輝かさんとしてゐる。此の間皇軍将兵が、遠く幾山河を越えて未知の戦野に●った奮闘努力は言語に絶するものがあり、汗と埃の行軍の一刻も、夢安らかなりぬ露営の一刻も実にわが國民的努力の一大記録に他ならない。

 記録集寫眞帖『中支を往く』は、一特務兵の撮影せるものを始め、部隊寫眞班長細野伍長の貴重なる作品の提供を受け宣昌作戦経過の大要を端的に記録するに止まらず、國民的努力の偉大なる心と姿とを、藝術を通じて後世に傳へんとするものである。「ローマは一日にして成らず」とか興亜聖業の前途も遠く且多難である。幾多辛酸の戦闘を回顧する時、常に思ひ出さるるは、聖業半ばにして殉じた戦友であり、愛馬である。本寫眞帖を繙くことによって護國の英霊を身近かに感じ、其の徳を偲び、我が國民發奮の資とすることが出来得るならば誠に好甚(※原文ママ)であり、この發刊の意義も又永遠の生命を有するものと思ふ。

編集識(自宅ニテ)

ある兵士の記憶②に続きます


いただいたサポートの半額は地域の小さな祭りや伝統行事を守る保存会に寄付し、残りの半額は取材にかかる交通費や宿泊費に充てさせていただきます。よろしければサポートお願いいたします。また、収支は定期的に発表いたしますm(_ _)m