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なにぶん嘘日記12/1『散歩とか』

 私は毎日散歩する。でも雨風が強い日は別。
 風が吹いたら遅刻して雨が降ったらお休みするハメハメハ大王の子どもたち同様、苦行がきらいだから。
 考えてみたら、子ども時代にも「ハメハメハ大王の子どもたちも休んでるやん!」と言えばよかったのに、当時は『登校拒否』というパワーワードも発明されていなかったので、すごくすごくすごく学校が嫌いだったが、なんとか通い通した。ムダにがんばったなー……。

 さて、散歩です。
 なにかで読んだのだが、秒速1.6mで歩ける人は長生きするらしい。うろ覚えのざっくりした情報だが、早足で歩けるだけの筋肉量があり毎日歩いている人は健康維持しやすいとか。
 歩くだけなら、ちょこざっぷよりお金がかからない。ただざっぷ!
 居候の小人からは「なら、浮いたおかねでチョコを買え」と言われる。だからつい散歩の途中でコンビニという名の魔窟に…。あ゛ー

 ついでに、歩き方。これもうろ覚えのざっくり情報。
 みぞおちから足が生えている気持ちで歩くと、実際よりもながーーい足になった感じがする。そうすると自然に大股になり、足がグイッと前に進みやすい。その感じで可能な限りハイスピードで歩くと、三十分くらいでもかなり運動した感がある。
 
 それにしても季節の移ろいが夏から冬までアッ!!と言う間だった。早足で歩いているせいじゃないとは思う…。近所の公園の紅葉も間もなく終了。
 だってもう十二月だもの。

 帰宅してホッと一息ついていると、たいてい家人と小人がそろって「なんか飲もうかなー」と言いながら台所に集って来るので、湯を沸かす。そしてリクエストに応えてコーヒーとかゆず茶とかココアとか甘酒とか紅茶とかを淹れる。今朝は、コーヒー。

 はい、どーぞ。
 ありがとー。

 こういう瞬間である。

 「なんでもないようなことがしあわせだったと思う」(懐かしの虎舞竜『ロード』より)と表現されるのは。
 まったくなんでもない。なーーーんでもない日常のひとコマ。
 でもそれをあえて刻印しておく。
 海を隔てたいくつかの場所では、このような「なーーーんでもない」時間が既に失われている。

 そして私自身の人生からも、いつか失われる。

 家人と小人は、それぞれのんきな顔でテレビなど見ながらコーヒーをすすっているが、家人も小人も、そして私も、永遠にここにいる人ではない。

 諸行無常。


 私もやっぱりコーヒー飲もうかなと、もう一度湯を沸かす。
 うぇーい、おかわりー。と言って小人が台所に戻ってくる。
「チョコもー」
「チョコパイ半分こでいい?」

 不服そうだ。足るを知れ。


※更新はきまぐれです。また、コメントいただいた場合、返信は居候の小人にさせますので失礼がありました場合はご容赦くださいませ。(だいたい「うぇーい」とか言って言葉使いもテキトーです)

※私の日記は表題通り『なにぶん嘘日記』です。百パーセント真実ではなく、半分、あるいは三分とか八分とかの嘘、すなわちフィクションが含まれるという意味と、「なにぶん嘘もありますのでどうぞよろしく」という意味の両方が含まれております。


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