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SS【スパイ】♯毎週ショートショートnote

お題「訓告したいの四六時中」

【スパイ】(410文字)

 私はイライラしていた。
「どうしたんですか部長」
 コーヒーを淹れてくれた部下が聞く。
「あいつらに訓告したいの四六時中!ああイライラする」
「無理ですよ」
「自分たちは特別だからクビにならないと思ってるのよ」
「仕方ないですよ。僕も彼らは特別だと思ってますから」
 なだめるような顔で部下が言う。
「でもそれじゃ他の従業員に示しがつかないわ」
 とはいえ、彼らがいなければ困ることも目に見えている。私は苦い思いでコーヒーをぐいと飲み干した。

「ぶちょーサン」
 その時、まさに話題の主が現れた。来たっ、今日こそ訓告してやる!
「せんじつのカツドウホーコクでちゅ」
 手渡された書類を見たら完璧だった。悔しい!これじゃ訓告できないっ。目の前の小人はドヤ顔である。小憎たらしいったら。
 そりゃ、小人という特性を生かした仕事は彼らにしかできないけど。

 でも産業スパイの活動中に、置き菓子の盗み食いだけはやめさせたいわ。ビスコの食べカスから足が付くこともあるのよっ。


(2023/11/15 作)

たらはかに様の11/12~11/18のイベントに参加させていただきました☆
今回は裏お題です。なんとエクセレントなお題でしょうか…(;・∀・)

会社らしい会社でお勤めしたことないんですが、むかしニュースで知った時、「いいな~、これがある会社で働きたい~」などと思ったものです。
…自営時代のおやつ代は消耗品費でおとしてました(間違ってたかも)。

※グリコの回し者ではありません。

また、我が家に居候中の小人と同一小人でもありません。
(詳しくは『なにぶん嘘日記』にて)↓↓↓


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