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エモすぎる謎ねぶた

「このねぶた、なんとかなんねぇべか?」

かっちゃが蝋書きされた孔明を見て言った。

「なんかさぁ、もうちょっと…………ほれ」

「なんだべ?」

「だはんでこればさ……いや、あだまでは浮かべちゃあんだけど、名前が出でごねじゃ。あのさ……」

「せばだば分がんねびょん。なんなんずや」

「ほれ、あのぉ……今やってるドラマのあれ。向井理が出でるやづ」

「……パリピ孔明?」

「そうそう! あれみたいにさ、キラキラ~って、なんねの?」

「キラキラ~って……全部終われば色付けすんだはんで、中さ明かりば照らすべな」

「でねぐて! 今ほら、ケーズデンキとかさ行げば高い値段っこであるでねの! あれ、紫とか緑とかに変わるパソコン!」

「あぁ、ゲーミングPCな」

「あれみでぐでぎねの?」

「七色さ?」

かっちゃはニヤリと笑ってその場を後にした。

今年の地域ねぶたも無事成功。

俺のやつ……「ゲーミングねぶた」としてSNSで大バズリしてた。

わいは、来年は本祭かぁ?

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この小説はたらはかにさん主催企画「#毎週ショートショートnote」参加作品です。

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