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岸田総理、演説前に爆弾を投げられるテロ未遂事件と知る権利

 最初一報を見たとき「岸田さんが爆発」と読めてしまって、変なものを食べて腹にガスでも溜まったのかと誤認した私が馬鹿でした。

 現場の映像を観ていると近くにいた赤い袖の漁師のおっちゃんがMVPですが、一発目は着火投擲され爆発もしているので、大事故に発展してもおかしくなかったヒヤリハットであることは間違いなさそうです。

 とんでもない話になってきました。

 その2日前には、伊勢神宮参拝に向かう岸田文雄さんの到着40分前に遠隔操作の爆竹が炸裂する事件があり、かなり焦げ臭い状況ではあるんですよ。

 これらの事件は一律に「政治家を狙ったテロ行為」であって、まだ犯人の動機やバックグラウンドははっきりしていませんが、可能性としてはやはり元総理・安倍晋三さんを銃殺した被告の山上徹也さんに関する模倣犯の疑いも否定できなかろうと思うんですよ。

 よしんばそういう思想的な背景が無いにせよ(あればあったでなお議論になるでしょうが)、元総理暗殺という大事件において、テロリストである山上さんの思想信条や身の上話が多数報じられ、これをきっかけに勝共連合から霊感商法にいたるまで統一教会(家庭連合)問題が蒸し返され、カルト宗教と政治の関係や消費者被害対策といった一連の対策が打たれ、解散命令・法律改定にまで至ったという意味で「山上さんがテロを起こしたことで目的を達成した」ように見えてしまう面も否めません。

 もちろん、統一教会問題は長らく自民党保守傍流の問題として横たわり続けたことは事実です。政府もカルト宗教問題について必ずしも積極的な対応はしてこなかった(何となれば選挙で役に立つからとむしろ庇護する側に回った政治家も少なくなかった)わけですから、山上さんの起こしたテロとは別に、対策を本来は打っておかなければならない物でした。

 他方、岸田政権がある意味で安倍さん国葬を強行し、突貫工事のように消費者庁や文化庁を巻き込んで最重要政策課題と位置付け対策に乗り出したのも、テロを起こした山上徹也さんに関する報道がメディアによる「国民の知る権利」の充足を旗頭に乱立したことにもあったでしょうし、また、安倍晋三という存在の大きさゆえのメディアの側の党派性も影響したのではないかとも思います。

 テロ行為や自殺・心中はもちろん社会的な絶対悪であり、これに対する報道はどのような背景があったのであれ、模倣犯や誘発を行わないように報道は自制的であるべきです。ただし、国民の関心事としてこれらの事件が起きると報じないわけにもいかない、いや、それ以上にこんな事件を起こしたこの人はどんな人物なのかを報じないことはメディアとしてマズいという逆噴射を起こす面もあります。もちろん国民からすれば事実関係を知りたい、知ったうえでこれは自分とは関係のないことだと切り離して安心したい心理が働くのもまた事実でしょうから、課題はやはり官民での紳士協定に基づく自主抑制的な報道規制にならざるをえなかろうということもあります。

 さらには、こういう事件が関心を集めれば集めるほど、ネットでは犯人に関するもっともらしいタレコミが拡散されたり、模倣犯候補の背中を押すような過激な言説も出回るようになるでしょう。こういうよろしくないフィードバックが社会不安と直結しないよう、またテロ続発で要らぬ政治への不信感が増幅することのないよう、理性的な対応が望まれるものだよなあと思わずにはいられません。

 今回は、たまたま赤い袖の漁民のおっちゃんが素早いヘッドロックで二発目の投擲がなく、また爆弾の精度も低かったのでけが人もなく惨事は防がれたわけですが、完全に群衆に犯人がインであったことを見るとSPが対処といっても限界はあるだろう(会場に入場制限を書けて金属探知機でも義務付けない限り)という点で、政治活動への大きな制約となることは間違いありません。

 また、和歌山一区参院補選だけでなく、目下後半戦に突入した統一地方選挙にも影響しないとも限りませんし、安倍晋三さん憎しもあって相対的にテロ容認に転じたり、犯人側の言い分に過剰に寄り添ったりする報道が乱発したことはいま一度、反省として考えておくべきであろうと思います。

 画像はAIが考えた『大戦争前、社会不安に煽られ政治家を暗殺しようとする若者と、その若者を取り押さえる群衆』です。なぜモノクロに…。


割と臨場感ある

神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント