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100%正しいことはない

 先日、50歳代の男性から「生きているときに正しいことをすると、来世でいいところに生まれ変われるのですか」という質問をいただきました。
 これに対して、次のように答えました。
 「生き方に関して、何が正しく、何が間違っているかというのは、いちがいに言えないので、そんなことは気にせず、自分の素直な気持ちにしたがって楽しく過ごされたらいかがでしょう。よき来世のためにと、現世をガマンしたり、犠牲にしたりすることもないですよ」と。

 世の中には「正しさ」にこだわって、はっきりと白黒つけなきゃおさまらない人、グレーのままだと落ち着かない人がいます。そして、自分の正しさをわかってもらいたいという願望が強い人もいます。
 「人にわかってもらわくてもいいじゃない。自分がわかっていたら」という気がしますが、これは逆に、自分の正しさに自信がないから、よけいに「わかってもらいたい欲」が前面に出てくるのでしょう。
 白黒、決着をつけることが「幸せ」とつながっているわけではありません。グレーのままに放っておき、「それはそれ」として楽しい時間を過ごすことに意識を向けるのが「人生の達人」ではないでしょうか。
 
 言い争うのは、たとえ相手を負かせたとしても、あまり楽しくはありませんよね。恨みを買うだけ。それに、絶対的に正しいことなんて、この世にはないと思いませんか。
 もちろん、Aさんの世界では、Aさんの言い分は、100%「正しい」と言えるでしょうが、その正しさがBさんの世界でも通用するかと言えば、それは、期待はずれに終わることが多いようです。 
 同じ土俵で闘っているように見えるのですが、実は、二人とも違う土俵で「独り相撲」をとっている。ですから、勝ち負けがつくはずもありません。ただ、かみ合っていないだけなのです。
 自分の「正しさ」を追求するよりも、「幸せ」を追求するほうがずっと楽しいと、頭では理解しているのですが、腹の底からはわかっていないため、大抵の人は、疲れ切るまでとことん言い争ってしまうようです。
 まぁそれもご自身が好きでされていることですから、いいのでしょうけど(笑)

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