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人間らしくていいじゃないですか?

 先日読んだ本、銀色夏生さんの「テレビの中で光るもの」の中に、こんな記述がありました。
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 (タレントに付く)マネージャーって、タレントが売れてないときは『お願いします、お願いします』って頭を下げて、売れると威張ってる。でもそうしないとしょうがない仕事だから、しょうがないだろうけど。売れてないのに威張れないし、売れてるのにぺこぺこするのもかえって変だし。
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 この「売れてるのにぺこぺこするのもかえって変」という銀色さんの感性に共感しました。
 「得意淡然」とか「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とか、傲慢を戒め、謙虚を賛美する成語は、いくつかあります。
 人は、思い通りにことが運んだときや、自分に追い風や神風が吹いてきたときは、自慢したくなり、尊大な態度をとりがち。私は、傲慢な人を見てもそれほど悪い気がしません。「正直で純粋で、自然体でいいなぁ」と思うこともあります。
 反対に、謙虚すぎる人や、卑下して頭を下げてばかりの人は、「作っているなぁ、無理しているなぁ。これも処世術?」って思ってしまう。
 順風のときは、肩で風をきって歩いたり、ふんぞり返って自慢話をしている人のほうが、「人間らしくて」微笑ましい。もちろん、人にもよりますが…。

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