見出し画像

リズム音痴を改善するために試してみた事とその効果

私はリズム感が悪いです。特に休符の長さをとらえるのが苦手で、カラオケや鼻歌を歌う時も休符の長さを間違えて歌ってしまう自覚があります。リズム感が悪いのを改善したいと思っていたのですが、特に何か改善策をとっていたわけではありませんでした。

転機となったのは、あるセッションに参加した時に、つきあいの長いセッションホストの方から「リズムのとらえかたが雑かも」と言われたことでした。その方からは以前に数回の個人レッスンを受けていたので、率直にアドバイスをくれました。

ジャズは、その音楽の特性上、どんな音を出したとしても、それが部分的であれば、解釈的には合っていると処理されがちです。その一方、リズムのズレに関しては非常に厳しいと感じます。クラシックのように指揮者がいたり、バンドマスターみたいな人もいないので、セッション中に「リズムがズレてる!」と誰かに指摘されることはあまりないと思います。

誰も指摘しないからこそ、むしろリズムに厳しいと思います。セッション中のスイングやグルーブ感についていけなくなるので、自分だけが取り残された孤立感に陥ります。むしろ「ここがズレている!」と言ってもらったほうが改善しやすいのですが、セッションはレッスンの場ではないので、自己解決するしかありません。

下記は、自己解決しようとした過程の現時点でのまとめです。リズムトレーニングは今も道半ばで、ブラックミュージック的なリズム感を体得するのは一生かかりそうですが、個人的に改善したくて続けたことをまとめてみました。


ハノンの裏拍

ジャズピアノの練習でよくある手法です。私は、セッションに来ていたピアニストの人から教わりました。最初の課題曲であれば「ドファファ」を裏拍にアクセントをいれ、メトロノームを80-100にして、倍のテンポで練習します。メトロノームが100ならテンポは200です。

私はこれを3年間続けてみました。仕事が忙しくてピアノが弾けない時期もあるので、再開と継続を繰り返していますが、筋トレのようなものだと思っています。あくまでリズムトレーニングなので第1章までで、それ以上は練習に活用していません。

練習する際も、ピアノを弾くときは常にメトロノームを鳴らして裏拍で合わせるようにしていました。ちょっとピアノを弾きたい時、メトロノームをつけずに弾くと気持ち良いのですが、自分のペースで弾いてしまうので、意図的にやらないようにしていました。

ハノンに関しては、三連符で演奏練習をすると、ジャズピアノの効果的な練習になりました。おかげで、三連符は明確にソロに導入できたので効果的でした。ピアノのソロに合わせてベースの人が三連符でのってくれると「三連符がうまく入っている!」と実感できました。

ジャズのセッションでは、誰かが「合ってるよ!」と言ってくれないですが、その代わりに即興演奏で応じてくれるので、そこがジャズの良いところだと思います。

DTMで視覚的にリズムをみる

以前、この記事で、音楽を視覚的に静止した状態で見ることのメリットを書きました。

ドラムやビートに関しても、視覚的に把握するように心がけていました。

例えば、Spliceのリズム音源を使用する場合は、そのまま使わずに、オーディオファイルの波形を真似たり耳コピしながら再現してトラックメイキングをしました。

UJAM社のBEATMAKERなどを使用する場合も、MIDIにして要素を分解して使いました。MIDIデータやオーディオ波形を見て、キックやスネアの位置を確認すると勉強になります。

こうする事で、特にキックとハットがズレるとグルーブが壊れることを理解しました。逆に、それさえ気をつければビートは良いグルーブ感を出したり、揺れるリズムが作れる事を知りました。

録音を聞く

セッションの演奏中に「ズレた!」と自覚することがあります。録音データを聴いてみて、その時に何が理由でズレていたのかを聴いて確認するようにしました。時には「やっぱりズレていた!」と感じたこともありますし、聴いてみると「実はそんなにズレていなかったかも?」な時もあります。

誰だって演奏中ずっとズレているわけではないですし、演奏全体を通して機械のようにリズムが合っているわけでもありません。

「ここがグルーブ感出てる、スイングしている!」と感じた箇所は、リズムが合っているはずなので、それを維持するためにはどうすればよいかを考えるきっかけになりました。

ドラムをやる

新型コロナウイルスの影響で、セッションの参加人数が減りました。ドラマーの方がいないセッションも増えました。そのため、ピアノやホーンなど別の楽器の方が、代わりにドラムを叩いてセッションを成立させる時期がありました。

もともとジャズプレイヤーは、複数の楽器を演奏する人が多い傾向にあります。新型コロナウイルスはジャズのお店にも多大なダメージを与えましたので、ベースを弾き疲れた時には、トランペットの方がベースを弾いたり、ピアノの人数が多いときは持ち回りでドラムを叩くなどしていました。大変な時期だったので、和やかな雰囲気で乗り切っていました。

そんな流れでジャズドラムを叩くようになりました。最初は4ビートのキープも大変でしたが、今ではリラックスしたセッションならドラムの代役として演奏することができるようになりました。

ジャズのセッションではベースがリズムキープのメインなので、ベースの音をしっかりと聴く週間がつきました。

4バースやボサノバなど、苦手な事はこちらのYoutubeチャンネルを参考にしていました。ドラムに関しては自宅などで自主練習はしなくて、セッションの時だけ叩いていました。


ここまでが、リズムトレーニングのためにやってきたことです。続けてみた効果をまとめます。

「リズムがズレる」を防止する方法

道半ばなので、気を抜くとセッション中に「ズレた!」と感じてハッとします。

効果的なのは「ズレた!」と耳で自覚したその瞬間に、ピアノを弾く、ドラムを叩くのを一瞬止めるようにしました。一瞬止まってしまいますが、セッション自体はベースがリードしているので、止まることはありません。一瞬止まって、再開するくらいなら、周りの人に迷惑をかけるほど気にならないと思っています。

むしろリズムがズレたまま演奏するよりも、止めてからやり直す方が良い気がします。それに、ズレたまま演奏すると、高確率でロストしました。

なぜリズムトレーニングが必要か?

リズム感が良い人は本当に素晴らしいと思いますが、私自身はそれに欠けているので、カバーするしかありません。

上手くなりたいというよりも、リズムは音楽に向き合う際のマナーだと思っています。ピアノの演奏が上手いとかの個人の技量よりも、全体のアンサンブルの基本を大切にしたいと思っています。まだまだ途中ですが、これからも頑張りたいと思います。

なぜリズム音痴なのか?

振り返ってみると、なぜ自分はリズム感が悪かったのか?少しだけ改善できた理由は何だったのか?

それは、周りの音を聴いていなかったからだと思います。

例えば、メトロノームの音、セッションにおけるベース音など、自分以外の音を聴いてなくて、自分の弾きたい演奏をしているからズレるわけです。

演奏している以外のリスナーさん、例えばその場で聴いている人にもリズム感はあるので、ズレていると気持ちが悪いです。

そこも含めて周りが見えていないとズレるんだなと実感しました。音楽に限った話ではないですが。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?