Blenderで3Dモデルを毎日作ってみた(150日目)
2023年4月1日から「Blenderで毎日寝る前に何かをモデリングする」を続けています。何かしらの挫折がありますが、150日間継続することができたので、やったことの記録をまとめてみました。(前回の記事は↓こちらです)
トゥーンシェーディングで日本庭園風の3Dモデリング
8月はこの作品を制作しました。
最近では、日本の映画でも3DCGを活用したセル画風の表現(セルルック)が増えてきました。例えば、映画「ブルージャイアント」でも効果的に使われていたのを覚えています。
「3DCGでセル画風の表現っておもしろいなぁ」と思いトゥーンシェーディングに興味を持ち、Blenderでチャレンジしてみました。
映画やアニメなどの作例を見ていると、3DCGで描写したいシーンを部屋ごと組んだ上で、キャラクターとそれをとり囲む背景を様々な角度や構図でカメラがとらえ、セル画風の表現をしつつ躍動感あふれるカメラワークにするのが、セルルックの特徴なような気がします。
私は情景を作るのが好きなので、キャラクターを描かず、情景だけでトゥーンシェーディングにチャレンジしてみる事にしました。
テーマは「日本庭園風の3DCGモデルを、トゥーンシェーディングでセル画風に表現」としました。スマホの広告で見た箱庭ゲームの雰囲気が良かったので、それを参考にしました。
3Dモデリングの他に、調べたり仕様を決める時間が増えた
以前は家具や雑貨をよく作っていましたが、最近は地形を含めた家屋を作るのが楽しくなってきました。庭や建物、池などの配置を考えながら、ラフな土台を作るだけでもかなりの時間がかかります。1日かけて地形を含めた土台に試行錯誤しました。
土台を作ってみると「これは完成するのだろうか?」と思います。毎回のことながらここで「別のもの作ったほうが良いのかも?」挫折しそうになるのを、なんとか続けるのが最初の壁だったりします。
それまでは、リファレンスを見ながら、ひたすら模倣することが多かったです。一方、8月にとりくんだ「日本庭園風の3DCGモデルを、トゥーンシェーディングでセル画風に表現」の制作では、地形や建物の縮尺や構図を考えたり、実際の建築物について調べる時間が増えた気がします。
個人制作のため、クライアントオーダー的な仕様は当然ありません。自由に作れるのが個人制作の良いところではありますが、完成イメージが明確でないと、制作する意欲の維持が難しかったり、突如「これで良いんだっけ?」という徒労感におそわれます。
個人制作をする過程で不完全燃焼しないために
以前の反省から「根拠はないのでなんとなく」とか「完成イメージが固まってないけど、手探りで進める」と、不完全燃焼で終わってしまうことを学んでいたので、これは避けたいと思いました。
そのため、いっぺんに作ったりせず、ラフな3Dモデルにイメージ的な情報を加えることで、個人的な仕様を固めるように心がけました。
例えば、神社や仏閣で瓦はどのように配置されているのかとか、桟橋の手すりはどのような形になっているか、鳥居はどのような構造になっているのかなどを調べて、3Dモデリングする上での根拠としました。
水面の動きや反射は、アドオンを使わずに「セルルックにしたときに、光が良い感じで反射する水面」をイメージして、ゼロからシェーダーを組みました。
このように、仕様を固めることで、迷ったり、不安になったり、作り直したい気持ちがなくなるので、結果的にモデリング作業も早くなると思いました。
「ToonKit for Cycles」でトゥーンシェーディング
トゥーンシェーディングには、シェーダーで作る方法とPSOFT Pencil+ 4などを活用してレンダリングで表現する方法の2種類があるようです。ちなみに、Pencil+4はすごく気になっていますが、まだ使ったことがないので憶測です。
今回はシェーダーで表現することにしました。実はUdemyのグリースペンシル講座で、ゼロからトゥーンシェーディングを作る学習もしたことがあって、それを思い出したりもしました。
ただし今回は、シェーダーをゼロから組まずに、BlenderMarketでセール中だった「ToonKit for Cycles」を使用しました。
対応するBlenderのバージョンは3.0が安定して動作しました。3.6でも動きますが、一部のビューポートでシェーダーが動きませんでした。
最新バージョンで3.X系に対応とあるのですが、Githubのレポジトリを見てみるとVersion1.6以降のリリースがなく、2年前の更新を最後にしているので、現在は開発中かもしくは開発が一時止まっているのかもと思いました。
導入やパラメーターの設定などはこちらのサイトを参考にしました。
シェーダー自体は使いやすく、デフォルト設定でも十分満足のいくトゥーンシェーディングができると思います。
ただ、ある程度つくりこんだモデル全てに「ToonKit for Cycles」のシェーダーを設定していくと、次第にBlenderのビュー画面が重たくなりました。
また、レンダープロパティのデバイスは「CPU」限定なので、GPUが使えません。そのためアニメーションレンダリングにかなりの時間がかかりました。今回だと、MacBookProのCPU M1Max、メモリ:64GBでレンダリングしましたが、5秒の30FPSアニメーションに約4時間かかりました。
トゥーンシェーディングに再チャレンジするなら
今回はセール中というのもあって「ToonKit for Cycles」を使用しましたが、PSOFT Pencil+ 4もすごく気になります。
ただ、トゥーンシェーディングに関しては、アドオンやプラグインを活用が合理的かもですが、個人制作ではPCスペックや軽量化の課題を考えると、自分自身で表現したいトゥーンシェーダーを組むのも良い気がしました。
もちろん、大規模な業務プロジェクトの場合は、PSOFT Pencil+ 4等の選択肢が十分入ると思います。個人制作の場合は1台のPCで63,800円でけっこう高いです。自分はPCは2台使用しているのでライセンスが2倍かかってしまいます。ここは悩みどころですね。
9月に制作しているもの
今回、瓦とか鳥居を作っていておもしろかったので、引き続き日本文化をテーマにした3Dモデルを作っています。
作例はYoutubeにまとめているので、良かったらチャンネル登録よろしくおねがいします。
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